

Sayaka Asami
浅見 清夏
青山学院大学国際政治経済学部3年。高校の時より発展途上国に興味を持ち、タイ、ベトナム、カンボジア、モンゴル、シンガポール、中国などアジア各国でバックパックをかつぎまわる。大学に入りNPO法人「かものはしプロジェクト」で活動を始める。
浅見 清夏 さん(日中交流団体freebirdメンバー)
テレビやネットではリアルタイムで世界の事件を報じるけれど、起きた出来事のひとつひとつの背景についてまで、じっくり考える機会は少ないのではないか? 速報性はますます高くなっているけれど、現地に生きる人たちの暮らしぶりや心情はどんどん遠ざかっている気がする。自分たちと異なる文化で生きる人たちを知るにはどうしたらいいのか。浅見清夏さんの活動はそのヒントとなりそうだ。
一年ほど前に日中の学生交流を促進する日中交流学生団体freebirdを立ち上げました。これは私が中国へ留学する前に友人ふたりに声をかけ、3人で創設したものです。それぞれが関東、関西の支部の責任者となり、私は上海支部を担当しています。
主な活動は、オンライン上での情報交換、コミュニケーションのほかに、各支部でイベント、勉強会、交流会などを行い日中大学生の親交を深めることです。
また三つの支部合同で行うイベント、コンテストなども企画していて、参加しているメンバーも日本人、中国人、学生、社会人など様々です。

イベントは上海の復旦大学で行ったのですが、アサヒビールと大塚食品に協賛をいただきました。反日デモが行われた後で、売れ行きが伸び悩んでいる時期でもあったので、若い世代の日中交流のイベントに関心が高かったのでしょう。
マスコミなどで報じられているように、確かに日本に対する印象はよくありません。そうはいっても、上海だとどこの大学にも日本語学科があるように、日本への関心は潜在的にあります。ただ日本人と接する機会は少ない。日本語を学ぶことを選んだ中国人は、やはり日本に関心を持っているので日本人とのコミュニケーションの機会を求めています。だからイベントの反応もよかったのですが、日本語学科以外の学生はそこまでイメージはよくないと思います。
ただ、漠然と「日本に行ってみたい」という思いはあるようです。実際、街中には日本の製品が溢れていますし、他にも日本の映画や本、漫画も流行っています。小説家だと村上春樹が人気ですし、漫画だと「名探偵コナン」や「スラムダンク」が多くの人に読まれています。それなりに日本への関心は高いと思います。
イベントでは、こちらで働いている駐在員の方、またこちらで起業した方などにパネルデスカッションを行ってもらいました。どのような職業につきたいか悩んでいる日中の大学生にとって、社会に出るヒントになったのではないかと思います。また日中大学生に「10年後の自分」というテーマでプレゼンテーションをしてもらいました。両国の学生が考える未来をわくわくしながら聞きました。このイベントに参加してくれた学生がその後freebirdのスタッフになるなど、今後の活動につながるイベントになったと思います。
高校生の頃、フィリピンのスモーキーマウンテンで、子どもたちがゴミを拾って生計を立てている様子を映像で見ました。それまではそういう現実を知らなかったし、それに近い世界の出来事を知ったとしても、身近に感じる問題ではなかったのですが、その映像にはものすごく驚きました。

高校から大学へそのまま進級できる学校に通っていたので、受験勉強の必要はありませんでした。時間はあったので、何か活動している団体に行ってみたいと思い、まず「国境なき医師団」の下部組織にあたる中高生主体のYouth powerに参加しました。
各国の紛争地域だとか実際に現地に行った人にインタビューしたり、日本にある外国の大使館に赴き、現地の話を聞きにいったりしました。
その頃、イスラエルで16歳の少年が良心的徴兵拒否をして逮捕されたニュースを知りました。これに他のYouth powerのメンバーが興味を持ち、そこで徴兵制って何だろうと改めて思い、徴兵制のある国に尋ねようと企画しました。
まず隣国である韓国大使館の広報担当の方にインタビューしました。それまで私は徴兵制という制度をどちらかと言えば、「よくないもの」として捉えていたのですが、韓国では軍隊に行かないと「一人前ではない」とか「格好悪い」と考えられていると知り、驚きました。
徴兵制をただちに善い悪いで捉えられるほど簡単なものではないし、国によって軍事に対する考えは様々なことを知りました。

高校からそういう活動をしていたいので、国際政治経済学部を選び、開発経済や政治分野を勉強したいと思いました。開発途上国がどのように先進国になっていくかというモデルや経済の構造を学んだりする学問です。とはいえ、どちらかと言えば、授業以外で学ぶことのほうが多いです。
はい、NPO法人「かものはしプロジェクト」に参加しました。この団体はカンジアの子どもたちを支援する活動を行っています。というのも、カンボジアでは10代前半という低年齢で買春の被害にあう子どもが多数いるのです。そういう問題が起きているけれど、法的に整備されていないので、被害が後を絶ちません。そこでかものはしプロジェクトでは職業訓練センターを設立し、子どもに教育の機会を与える、といった方法で自立の手段を提供します。
かものはしプロジェクトで活動した二年間で出会った先輩、サポーターの方、仲間は今の自分にとってとても大切なものです。また毎月カンボジアの子供達から送られてくるPCの壁紙も私のエネルギーの源です。PCの壁紙とはかものはしプロジェクトの会員になると毎月カンボジアから送られてくるものです。

学外で「かものはしプロジェクト」に携わり、大学の授業で中国経済を勉強していて、その間にタイや中国の雲南省などを旅行したのですが、そこで感じたのは、旅行はあくまで旅行で、詳しい国情までわかりません。やはり現地に住まないとわからないと思い、大学2年が終わった時点で留学しようと思いました。
場所にこだわりはなかったのですが、中国に興味を持ったのは、中国経済と中国語を学んでいた事と、ちょうど留学斡旋会社が上海の企業にインターンをしながら留学するプロジェクトを始めていて、これはおもしろいと感じ、中国行きを決めました。でも、日中交流の活動が忙しくて、結局インターンで働くことはできませんでした。
私達日中の大学生は約20年間育ってきた環境が違い、また受けてきた教育が違います。当たり前の事ですが、私達は違う角度から同じ問題を見てきた、という事になります。この問題は学生間で話し合うにはとても難しい問題です。一定の信頼関係があってこそ、話し合える問題だと思っています。
私は海外旅行の経験もあって慣れていましたが、友だちはサービスの悪さとか、付き合い方の違いにストレスを感じていました。
異文化を感じたという意味では、中国人は内と外をすごく分ける感覚があることで、一定以上仲良くなって、彼ら彼女らが私を「内の人間」として扱うようになると、驚くくらい優しくしてくれます。たとえば親に紹介したりとか、お金も貸してくれたりするのです。別にお金に困ってないし、借りたくなくても貸そうとします。けれど外の人間には厳しいし、お金は絶対貸さない。
それに何かあったらすぐ駆け付けてくれますし、また日本だと夜11時も過ぎれば、家を訪れるなんて迷惑だと思いますが、気軽に招いてくれます。反対に何の連絡もなくやって来たりして、戸惑うこともあるのですが、それが身内として認められた証なんでしょうね。

以前から私を知っている人には「タフになった」と言われます。異文化と感じていたことも、それが日常になるわけですから、新しい価値観で行動しだすようになったせいでしょう。確かに「自分は自分」という気持ちが強くなっています。日本の感覚でいうとそれは必要以上に、他人に入り込む感覚だったり、「人の気持ちを慮らない」と捉えられてしまうかもしれません。
中国ですね。内と外がはっきりしている。ある線より内の人とは交換関係、つまりギブ&テイクではない関係を結んでいる。でも外にはあくまで交換関係。日本は内外が曖昧で、親子関係ですら距離を取って接するというか、「ここまでは踏み込まれたくない」というのがあります。そういう関係の持ち方からしたら、ものすごく近しい関係性だと言えますね。
大事なのは、学びを必要とする場を求めること。そうすることでその場が自分の歩みを進めてくれます。そういう場には、自分よりいろんなことを知っている人がいて、自分も学ばないといけないと思います。学んで、学びが生かせる場に進むことが大事なんだと思います。
私は自分に学びが必要だと思うから学びますし、アウトプットすることで、自分のやっていることの意味が目に見えます。そうしたら次に行けると考えています。
私も本当にやりたいことがまだわかりません。まず動いてみる。そこで「すごい」と思った人との出会いがあって、その場がいいなと思えます。そうやって感じる中で、自分にとっていい場所に行けるのではないかと思います。
影響を受けた人に「5分考えてもわからないことがあったら連絡しろ。わからないままにせず必ず解決しなきゃいけない」と言われたことがあります。それは仕事を進める上でのアドバイスでしたが、仕事だけじゃなくて、他のことにも言えることだと思っています。そういう考え方やスタイルは、私の中で大切にしています。

自分でいろんなことを解決できるようになったことでしょうか。考えて実行する大切さを学んだと思います。
高校生の頃は、将来について悩んでいても、悩んで終わりでした。今はこういう本を読んだら解決の糸口になるかもしれない、といった解決の方法を自分で考え、行動に移せるようになりました。同じ悩みであっても、悩みが自分に与える影響が違うと思います。悩みを自分の中に淀ませずに外に出力していくこと。それが大事だと思います。
もし、いま高校生で将来の進路について悩んでいるなら、少しでも興味ある場に顔を出したりして、人と話してみるといいんじゃないでしょうか。いろんな人に会う中で、きっと尊敬できる人と出会うと思います。そういう人の話を聞く。聞けば悩み方も変わるし、前へ進むことができます。気が向いたら、うちの団体にもぜひ足を運んでください。
Sayaka Asami
浅見 清夏
青山学院大学国際政治経済学部3年。高校の時より発展途上国に興味を持ち、タイ、ベトナム、カンボジア、モンゴル、シンガポール、中国などアジア各国でバックパックをかつぎまわる。大学に入りNPO法人「かものはしプロジェクト」で活動を始める。2005年2月に友人と日中交流団体freebirdを立ち上げ現在中国で活動中。今年の夏に上海で行われる「CHINATRIP2006」の準備を行う。
NPO法人かものはしプロジェクト
http://www.kamonohashi-project.net/
日中交流団体freebird
http://freebird05.com/