

Hajime Matsumoto
松本 創
1983年東京生まれ。小学校5年以来、登校拒否。現在、「KAMUNA柄」主宰。 NHK「真剣十代 しゃべり場」一期レギュラー、山田洋二監督映画「15才 学校Ⅳ」原案。著書に『しょうがねえじゃん 俺生きてるし』。
松本 創 さん(「KAMUNA柄」主宰)
松本創さんの著書『しょうがねえじゃん 俺生きてるし』の帯には「学校社会をはみだしてマツモトハジメは10代を駆け抜けた!」とある。
小学校5年から始まった登校拒否を挫折じゃないよとカラカラ笑いながら生きる松本さん。
19歳になったばかりの彼に新しい出会いを求めつづける旅の話を聞いた。
行きましたよ。4月から5月まで。
まぁ。
別にトラウマなんてものはないです。べつに偏見も持ちたくないですし、持てるほど単純な組織じゃないですから。

別にひどい先生っていうんじゃなくて、俺と合わなかった。だから俺に対してはひどい先生だったかもしれない、だけど他の子にはどうなんだろ?いい先生だったかもしれない。小学校で行かなくなったのはその先生のおかげ。中学校の一ヶ月に嫌なことって細かいこと挙げればきりがないかもしれないですけど大きなことってないですね。
おれは何のために学校に行っているのだろうと思った時に、理由がなかった。やりたいことは学校の中にはないし、今一番やりたいことは部屋でごろごろしたいし、公園とかで遊んでいたいし、何でこんなところにいるんだろうと思ったら、行きたくなくなって行かなくなって。

微妙に思った。でもできないですよ。例えば、「はじめちゃんはいいよねー」とか「保健室になんでいつもいていいの?」とか聞かれても、それはいたいと学校に言って認められているからで、やりたいなら言ってみればといっても、その子が本当にそうしたいのか、とか取り巻く環境によってちがうでしょ。
不登校って言葉は学校に行っていないというだけで、人格の一つを示してると思う?
そんなねー不登校って言うだけでくくるのもくくられるのも好きじゃないんだ。だから、みんな好きかときかれても答えようがないさ。

だーかーらー。前の答えと同じだっちゅうの。
家族旅行は物心ついたばかりのころから、キャンプ参加は2年生、5年生で福岡から東京へ飛行機、6年生で鈍行列車。13歳でとまり歩きをはじめて14歳で四国へ旅立つ。おって19までふらふらと。
講演会で知り合ったんですよ、山田さんの。山田さんが「学校」というシリーズを撮っていてその事が関心を惹いた。この人は学校というものをどう捉えているんだろうってね。それなら講演会でも聞きに行って質問してしまおうと。
「僕は学校に行ってないけれど、何のために学校って行くものだと思うんですか」という質問をしたら、「それはとても難しい問題だなぁ」と「結局義務教育というのは君の権利なんだなあ」と言われて。
山田さんの学校観というものがすごくわかったんですね。学校は行かなきゃいけないところだから、その学校で何をやるか突き詰めようとしているんだなぁと。その立場はそれでわかる。学校に通うことで幸せに全員が思えるならいいだろうと思うんだけど、納得いかなくて。後で楽屋に行って「もっと話したいんですけど」。
それから、山田さんが「あの質問していた子は誰だ」と聞いて探していたらしく、探し当てられて助監督がやってきて「今度『学校』の新しいのを作るんだけど、創くんの話を聞かせてくれ」と。いいっすよ、ということで話し始めて。

いや、別にイメージなんか変えなくてもいいじゃない?社会に対してのイメージなんかどうでもいいもん。逆に不登校で悩んでる子たちが、ちゃんと学校に戻らなきゃいけないんだとか思われると悲しいってぐらいだよね。

別に思いませんね、大学にいきたいときはもぐって授業受けたりしていたし、ゼミにも顔出していたけど。入学と卒業には意味感じないなぁ。
答えのないところに学んでいくということに対してすごく弱いんじゃないんすか? どんな質問に対しても一言で答えちゃうやつ。その答えは、今まで知っているところから引き出しただけだから、考えてないんですよ。こちらもそう来るだろうと思ったという感じで質問を続けるけど、引き出しの限界まで来ると、引き出しを持っているところに持っていっちゃう。じゃあこっちから聞くけどさあという感じで。
答えのないところの答えの出し方って知らないんだ。世の中、答えの出ないことが多いのに、これからどうするんですかねと思ったりするんですが。

見えませんよ。子供にも大人にも、どっちも意識してませんから。
そんなこと書きましたっけ。お前ががんばれよとかって言葉遣い嫌いなんで書かないと思います。講演というか不登校のシンポジウムで不登校だからって特別なものはないんだ、別に大変でもないしかわいそうでもない、って言ってんのに「風当たりは強いでしょうけどがんばってください」。おーいおーい。おばちゃん。あの……。てのはあった。
そもそもこの本が出るのも、『文藝』で学校についてのコメントを求められたのがきっかけなんですよ。4年前ぐらいに『文藝』で不登校児の特集をやっている時にインタビューを受けて、その時の編集長が、この子はいいと言ってくれて、『文藝』のほかの部分にも評論やコメントとかを書いてみないかと勧められて。それは結局やらなかったんですが、今は河出の課長になっているその人に本を出したいと言ったら、しゃべり場とか全然見てなかったんだけど、「創くんの本なら出すよ」と言われて。それだけ自由に書かせてくれていると思うし。で、その時の『文藝』をNHKのディレクターが読んでいてくれていたらしくて、連絡を取ろうと思ってくれた。番組の企画当初から探し始めていたらしいんだけど、ようやく第1回の収録ギリギリに連絡が取れたんです。それで話があって。

まぁ気楽にどうぞ。
近く、Mammo.tvでもコラムを担当していただくことになっています。どうぞよろしくお願いします。
Hajime Matsumoto
松本 創
1983年東京生まれ。小学校5年以来、登校拒否。現在、「KAMUNA柄」主宰。 NHK「真剣十代 しゃべり場」一期レギュラー、山田洋二監督映画「15才 学校Ⅳ」原案。著書に『しょうがねえじゃん 俺生きてるし』。 出演した園子温監督映画「自殺サークル」が3月9日より新宿武蔵野館にてレイトショー公開。
「KAMUNA柄」HP:
http://www.kamunagara.org/
【松本 創さんの本】

『しょうがねえじゃん 俺生きてるし』(河出書房新社)