

ネパール留学中、大陸をまたぐ"国際路線バス"を企画立案。1994年『ユーラシア大陸横断バス』、1998年『アフリカ大陸縦断トラック』を実現。2002年には『南米大陸縦断バス』を実現予定。
2002-08-02 号
白川 由紀(紀行フォトエッセイスト)
みなさん、こんにちは。
これまでは、私が今まで訪ねてきた地球のいろんな表情を伝えてきましたが、月も変わったことだし、私の第三大陸めへの挑戦がいよいよカウントダウンに入ったということもあり、思い切って内容を変えることにしました。

人生っていうのは、どこまでも長い道のりが続くものなんだなあ。
でももうちょっと行けば見えるかもしれない別の山を目指して、毎日を歩いていようと私は思う。
アフリカのナミビア・ナミブ砂漠にて ↑Click
題して「南米大陸縦断、いよいよ始動」。
今まで周りの人から、どういう風にしてそれを実現させたのか、ということをよく訊かれます。
だから、この場を借りて、その過程を同時進行で一挙公開。
すんなり物事が決まることもあるけれど、多くは目の前に立ちはだかる壁を一つ一つ取り除き、バラバラになっている条件を、丁寧にすり合わせていくのが「具現化」への作業。
途中で頓挫するかもしれないし、成功するかもしれない。
そのワクワクドキドキの過程を、みなさんにも一緒に楽しんでもらえたら幸いです。
======================================
今年1月頃の本コラムにも書きましたが、私が地球の大陸に国際路線バスを走らせる「大陸横断バス」という活動を始めたのが、1994年。1996年までユーラシア大陸(9ヵ国)には7回のバスを走らせ、その後2000〜2002年までは2回、アフリカ大陸(14ヵ国)を縦断するバスを走らせました。
先日NHKの「しゃべり場」に「俺には目標がない。どうしたらいいんだろう」という19才の青年が出ていましたが、私も今、自分がまさかこんなことをしているようになるとは思っていなかった。なんでもとにかく目の前に現れる小さな目標を、徹底的に「やる」、それがいずれ大きな目標に自然につながっていくのだから、目標がないって19才から心配する必要は全くないっていうことを、私は経験則から学びました。
最初のきっかけは「海外を実際に自分の目で見てみたい」という、誰もが一度は持つ本当に小さな目標でした。アルバイトで小金を貯めて、インドネシアに行きました。
で、そこで「祝う葬式」を見たら(本コラムNO1参照)、もっと違う発展途上国を見てみたくなった。で、ネパールに留学した。そしたらそこで、国境を越えて地球を「線で視る」ことに興味を持ち、自分がそれを実行していくうちに、そこで得られる「広い視野」と「感動」を少しでも周囲の人々にお裾分けしたいという気持ちになった。で、偶然ヨーロッパから陸路を越えてネパールにやってきた人々に出会い、そんなことができるんだったら、自分もやってみたい、で、やるからには個人的冒険を越えて、誰もが参加できるような形にしたくなった。それが「大陸横断バス」という形に結実したというわけです。
で、ユーラシア大陸を横断した。文化の色が激しく変わる道は本当に素晴らしかった。それを3回やったら、今度はヒトの原点のようなものを見てみたくなった。じゃ、アフリカ縦断だろうと、またそこにバスを走らせた。新しい場所で、またいろんなことを吸収できた。で、それをやりながら、頭のどこかで、「ここまでやったのだから、地球五大大陸全走破を目指そう」と自然に思うようになった。
それが今度始める「南米縦断バス 〜赤道から南極まで〜」。
私の場合、決して最初から、地球五大大陸全走破を目標にしていたわけではありませんでした。ただ、その時その時にできることを一生懸命やって、でもできることをできる分だけやり続けるのはちょっと飽きてしまうので、その際に自然に見えてくる「ほんの少し難度を含んでいるもの」に挑戦していたら、いつのまにかこうなっていた、というだけのことなんです。
だから、私が今自分の経験則から、「目標が見つけられない」と悩んでいる人に言ってあげられることがあるとすれば、目標なんてその時々に変わるし、だから最初から大きな目標を無理に設定する必要は全くないわけで、ただやった方がいいのは、その時の自分ができること、またそこにプラスアルファされるほんの少し難度の高いものを見て、その壁を乗り越えられるように努力すれば、目標は「次第に」大きなものになっていくってことだと思います。
目標がないなんて、悩む必要は全くないし、またそれを固定してしまう必要もないと私は考えています。ただやってみたいけれどでも今の自分じゃちょっと難易度が高いこと(よく考えれば、周りは難易度が高いことだらけだよね)へ、挑戦する気持ちを持つことはとっても大事。それさえあれば、いつのまにかそれが目標になっていきます。
今の私にとっては、それが「地球五大大陸を全走破すること」。でも一度に残りの南米、北米、オーストラリアを終わらすことは不可能なので、まずは新しい場所「南米」を舞台に、実現できるように努力している最中。
私だって、人生の本当の目標は何なのかなんて、今だにわからない。たぶん誰にもわからない。
でも私は、いろいろ行動をしていく上で自然に現れた、やってみたいけどまだやったことのないことを「とりあえず」の自分の目標だと思い込んで、やっていきます。
で、それをやり遂げた暁には、たぶんその代価としてなにか得るものはあるはずだと信じています。
次回はその具体的な過程をお話したいと思います。
(次回に続く)