2003-01-07 号
丸川 珠代 (テレビ朝日アナウンサー)
学校や会社が始まって、新しい年が動き始めました。みなさんの一年はどんな年になりそうですか? 日本の2003年は、21世紀を決める重要な年になるかもしれません。元旦の朝まで生テレビでは、日本が今年、数多くの重要な決断を迫られる“瀬戸際”にある、ということが様々な角度から浮き彫りにされました。
5時間の討論は、あっという間にも感じられました。それだけ2003年に日本が直面する問題は、根が深く多岐にわたるものだった、ということなのかもしれません。討論の最初にあがったのは、イラク攻撃に日本は参加するのかしないのか、という問題でした。
イラク攻撃への対応は、日本が、アメリカとどう付き合っていくのかを決める、重大なターニングポイントになると考えられています。イラク攻撃の正当性については、アラブ諸国の反発はもちろん、ヨーロッパの中でも判断が分かれており、日本の対応は、世界の中でのわが国の立場を示すことにもなるのです。
東西冷戦時代なら、日本は迷わずアメリカに追従したでしょう。しかし世界の冷戦構造はとっくに崩壊し、とりわけ2001年の9月11日、あのテロ事件以降、アメリカは世界の警察としてますます覇権を誇示する一方で、自国さえ良ければいいという自国中心の一国主義に陥っています。
そして、今回のイラク攻撃は、そのアメリカ一国主義の極め付きとも言える行為でしょう。そもそも、アメリカがなぜイラクを攻撃することになったのかを考えて見てください。9月11日のテロの首謀者はアルカイダを組織するウサマ・ビンラディンである、と世界に納得できる証拠を示さないまま断定し、アフガンを攻撃。しかし結果として捕らえることはできず、ビンラディンを匿いテロへの支援を行った国家ということで、イラクに矛先を向け、やはり世界に対して証拠を示さず大量破壊兵器の製造をほぼ断定し、攻撃に向けての準備を着々と進めています。
世界が納得しようがするまいが、軍事力を背景に、有無を言わせず自分達の思いのとおりに物事を進める姿勢は、まさに一国主義的としかいいようがありません。しかもアメリカは、査察を受けた国連の決議に関係なく、イラク攻撃をする可能性もあるとほのめかしています。
アメリカの一国主義がこれほど顕著になってもなお、日本はアメリカに追従すべきなのでしょうか? それは世界を敵に回すことになる可能性も含んでいます。一方でアメリカと距離をおくことが、果たして今の日本に現実的にできるのかどうか? アメリカがイラク攻撃にこだわる本当の理由も合わせて、朝まで生テレビで議論された内容を次回以降のコラムでじっくり考えて見ましょう。