2002-12-31 号
丸川 珠代 (テレビ朝日アナウンサー)
2002年大晦日を皆さんはいかがお過ごしですか? 私の場合は、年明け深夜1時30分から放送の「朝まで生テレビ!元旦スペシャル!」の放送に向かって準備中です。今夜は2003年のニッポンのテーマをいつもよりたっぷりと、朝6時40分まで徹底的に討論します。冬休み中なので、夜更かししても大丈夫! ぜひ最後まで見てください。
2003年を考える前に、2002年を私なりに振り返ってみたいと思います。といっても、9月17日を境に、日本は“拉致問題”一色となりました。交渉打開の糸口は見つからず、帰国した5人は、ついに家族と会えないまま新しい年を迎えることになりました。
この問題を通じて、私は「国益と個人の幸福」ということを考えました。北朝鮮に戻って家族と会う、という個人の願望より、北朝鮮には戻らずに家族の来日を待つ、という国の外交戦略が優先されたからです。もちろん私も、5人の家族との再会を願っていますが、国の戦略が最終的に家族の願望をかなえられるかどうか、まだ結果は見えていません。
また“原則を貫く”と言われた外交姿勢については、私の記憶する限り初めて、外交でナショナリズムが発動された機会だったと思います。アメリカに追随するか、さもなければ、アジアに対して謝罪をするか、いずれにしろ相手国の意向を損ねないことが、これまで日本の“国益”に繋がると考えられていました。しかし拉致問題では初めて、相手国と真っ向から対立することが“国益重視”の姿勢と重なった、という印象を受けました。
以前に比べて明らかに、日本人は外交や政治の場面で“国益”という基準を取り入れるようになったと思います。では、いまの日本にとって、いった何が国益なのでしょうか?
実はまだその答えは、国民の間で一つにまとまっていません。国益をめぐる日本人の価値観は、いままさに揺れ動いているのだと思います。
奇しくも今年前半、最大の出来事はサッカー・ワールドカップの開催。日本中が代表カラーの青一色に染まって、思いもよらず自分の中のナショナリズムを感じるという、貴重な体験をしました。そのときから私は、「国とは私にとってどういうものなのか?」「国と個人との関係はどういうものか?」ということについて考えるようになりました。
そして今夜のテーマは「戦後民主主義とナショナリズム」。まさに私が2002年を通して自分なりに考え、またコラムで皆さんにお話してきたことです。来年早々にもアメリカがやろうとしている戦争と、日本はどう向き合うのか? 北朝鮮問題への対応は? 世界の中の日本の立場を確認し、2002年に日本人が意識したナショナリズムは、日本をどこへ導こうとしているのか、討論します。
皆さんにお話してきたもう一つの重要なテーマ「経済問題」については、年明けに機会を見てじっくり考えたいと思います。それでは午前1時30分に、テレビの中でお会いしましょう!