2002-04-02 号
丸川 珠代 (テレビ朝日アナウンサー)
4月になって新しい学年が始まりましたね。新入生の皆さん、初めまして!そして、一つ学年が上がった皆さんも、心機一転、今年はどんな一年にしようかわくわくしながら、この4月を過ごしてくださいね。
さて、私が担当している「朝まで生テレビ!」という番組は、この春で16年目に突入しました。16年前というと、皆さんの中には、まだ生まれていなかった人もいるかな? 「朝まで生テレビ!」は、その頃から、経済・政治・外交・安全保障・差別・教育・宗教など、その時々で社会的関心の高い問題をテーマに取り上げてきました。
深夜、しかも生放送で、長時間にわたる討論をテレビ番組の形にしたのは「朝まで生テレビ!」が初めてです。番組開始から6年間は、放送時間が5時間もあったのです。
それに、今でこそ世の中にはタブーが少なくなったけれど、16年前、日本には“語ることさえ問題だ”と考えられていたタブーが、たくさん存在しました。「アサナマ」では、そのような問題で、意見の対立する当事者がテーブルに着き、テレビを見ている視聴者の前で、論を闘わせました。
このスタイルは他の追随を許さず、「アサナマ」は16年たった今でも、メディアの世界で唯一無二の存在だと思います。
「アサナマ」は、毎月、最終金曜日の深夜、午前1時20分頃から放送しています。3月末は「激論!言論・表現の自由が消える日?!」というタイトルでした。いわゆる“メディア規制3法案”をめぐる問題がテーマです。
“メディア規制3法案”というのは、新聞やテレビなどのメディアを、それぞれ別の側面から規制の網にかける意図がある、と言われる3つの法案です。小泉総理は、今国会での成立を目指すと明言しています。
なぜこの時期に、このテーマを取り上げたか?それは、この3法案が、まさにこれから国会で審議されようとしているからです。
国会は、1月の田中眞紀子・前外務大臣の更迭以後、鈴木宗男さんや、辻元清美さんの政治スキャンダルに時間を取られていましたが、それでも、2002年度予算が無事成立し、これから、予算以外の重要な法案が審議されていきます。“メディア規制3法案”は、そうした法案の中に含まれています。
ところが、この3法案は、人権を守るという意図とは別に、国民の知る権利を侵害するのではないか?と危惧されているのです。これがどれほど重大なことか、これからみんなと一緒に考えたいと思いますが、とにかく放っておいては、憲法で保証された私達の権利が、国によって制限されることにもなりかねません。これは、簡単に片付けられない問題なのです。
与党の多くはこの法案に賛成しようとしていますから、世論の関心がなければあっさり成立してしまうかもしれません。国会での審議が始まる前に、私達はこの法案がどういうものかを、また、知る権利とメディアの関係はこのままでいいのかを、考えておくべきではないかと考えてテーマに取り上げたわけです。
来週以降、これらの法案と、私達の知る権利というものについて考えてみましょう。