2002-03-26 号
丸川 珠代 (テレビ朝日アナウンサー)
今週は、政治というよりも、政治家について、いろいろお話したいことがあります。テーマが一つではありませんが、あしからず。
まず、一昨日の日曜日は、関西に帰っていました。といっても、実家に帰ったわけではなく、東大阪市にある塩川財務大臣のお宅にお邪魔していたのです。もちろん、お友達だから遊びに行ったのではありませんよ。
「特報!これが政治家の食卓だ!」という4月1日(月)夜7時放送の特番で、“塩爺”のお昼ご飯を、一緒に食べながら取材させてもらったのです。塩川大臣の大好きなキツネうどんと太巻き、それに水ナスの漬物は、私にとっても懐かしい“関西の味”でした。
塩川大臣は、“どてら”と言われるシンプルな男物の着物を着て、いかにも関西のおじいちゃんといった感じ。(私のおじいちゃんも、普段どてらを着ていました。)でも、政治の話になると、とても熱っぽく力強く話されます。
声の調子も変わるし、次々と言いたいことが出てくる様子で、本当に政治が好きなんだなぁ、と感じました。最近の若い政治家については、「言った、言わない」のような揚げ足とりに終始して、政策の話をちゃんとしなくなっているのではないか?とおっしゃっていました。
塩川大臣のほかにも、与野党多数の政治家が登場する、「特報! これが政治家の食卓だ!」。とっても面白い番組になると思いますので、ぜひ見てくださいね。
ところで、先週、鈴木宗男議員の議員辞職の動きがさらに大きくなるかと思っていたら、まったく別のところから、スキャンダルの火の手が上がりました。なんと朝まで生テレビでもお馴染の、あの社民党の辻元議員が、お金をめぐる疑惑で週刊誌に取り上げられたのです。この記事が出た後、マスコミの関心は一気に、辻元議員に向かいました。
疑惑の中身というのは、辻元議員が、ある秘書に名義を借りて、国からその秘書に支払われる月々の給料のうち5万円を払い、残りを事務所の費用に充てていた、というものです。辻元議員は給与の流用について、一旦これを否定していましたが、日曜日に発言を改め、事実と認めました。
仮にその秘書が、5万円を除いた残りの給与をすべて、辻元議員に献金していたとしても、辻元議員がその寄付を申告していなかったことは、税金をごまかそうとした詐欺に当たる可能性があります。それに、個人が一国会議員に年間150万円以上献金することは、そもそも政治資金規正法において認めらません。
辻元議員は、野党の先頭にたって鈴木宗男議員の疑惑を追及していました。その辻元議員自身がお金にまつわるスキャンダルで議員を辞職してしまうのは、私にとって幾重にも残念なことです。
鈴木宗男議員の疑惑追及が、このまま立ち消えになってしまうのではないか、そして、国民の政治家に対する失望がさらに大きくなるのではないか、さらに、辻元議員のような有能な若い政治家が政治生命を絶たれてしまうかもしれないこと、そのものへの残念さです。
それにしても、あれほど歯に衣着せぬ物言いをする辻元議員が、なぜ初めは否定し、後になって言葉を翻したのでしょうか。なぜ、他の党でもやっている、ということを、わざわざ名指しで言ったのでしょうか。
これはあくまで想像ですが、もし辻元議員の言うように、どこの党でもやっていることだったとしたら・・・誰か一人をスケープゴートにすることで解決する問題ではありません。
かといって、その一件の責任を問わないということではありませんが、そうなってしまう構造までメスを入れなければ、解決にはなりません。これは、辻元議員のケースだけでなく、鈴木宗男議員のケースでも言えることです。
鈴木議員の話をしたときも言いましたが、今回のようなスキャンダルがあった“その後”、どうなったのかを、私たちはきっちり見届けるようにしなくてはいけませんね。
さて、今週は朝まで生テレビ。テーマは「個人情報保護法」などいわゆる“メディア規制3法案”を取り上げます。憲法でも保障されている「言論の自由」と「知る権利」そして「人権」について、一緒に考えてみましょう!