2001-09-04 号
丸川 珠代 (テレビ朝日アナウンサー)
あっという間に1週間が過ぎてしまいました。また学校に通う毎日が始まりましたね! 私は2学期が始まってから慌てて夏休みの宿題をやることが多かったけど、そういうのは”夏休みの宿題”っていわないか……。
さて、先週の続きです(今回から読んでくれている人は、是非先週号を先に読んでくださいね)。
東西冷戦構造が崩れて10年がたち、もはや西側の一員として振る舞うことが日本の存在をまもる、という状況ではなくなってきました。東側諸国の脅威は、もう以前ほどではありません。西側諸国はそれぞれ独自の立場に立って、東側諸国と付き合うようになり、以前のように横並びで外交にあたることがなくなってきたのです。同じ自由主義陣営の中をみても、ヨーロッパは地域圏(EU)を作ってアメリカと対抗しており、またアメリカ自身も独自の外交路線をみせるようになっています。アメリカという西側のリーダーに従ってさえいれば良かった時代は終わり、日本も、自分なりのスタンスを考えなければならなくなったのです。
そうした中で、「間違った戦争」というアメリカから与えられた価値観、それを支えてきた戦後の枠組みが、本当に自分たちのものになっているのかどうか、国民の意識がぐらつき始めたのです。東西冷戦構造が崩壊した事で、日本は今まさに、戦後の価値観をめぐり揺らいでいるようです。
もし自分たちの手で、戦後の価値観を早い段階で選び直していれば、今のような揺らぎはなかったでしょう。しかし、選び直すと言っても、正直なところ、私自身は生まれた時からこの価値観の中にいるし、戦争が始まった時点の価値観といえば、せいぜい想像の範囲でしかありません。もし、戦前の価値観に立って“東京裁判”が間違っているというなら、日本がサンフランシスコ講和条約を結び国家として独立した時、戦争の責任について、自分自身で徹底的に議論しておいて欲しかった、と後から生まれた私は思うのですが、今となっては仕方のないことです。戦争経験者は年々減り、昭和天皇もとうに亡くなりました。むしろ、これからを生きる世代にとっては、今この時点で目の前にある問題をどうするか(例えば、アジア諸国とどう向かい合うのかなど)、ということが最も切実で、差し迫った課題ではないでしょうか。
いつまでも戦争をめぐる見方で悩みたくないのはもちろんですが、この先の日本が国際社会のメンバーとして、どう存在していくのか、ということがまず前提になければ、価値観についての議論は意味がないように思います。世の中にはいろいろな考え方があって、私も、まだまだ知らないことがたくさんありますが、今の時点での私は、“これから先、日本が国際社会を生き抜くため”という視点で、戦後の価値観をとらえなおす必要がある、と考えています。
さて、8月末の「朝まで生テレビ」では、構造改革と経済を取り上げました。株価がどんどん値下がりして、日本はかなり大変なことになってきているみたい!? 来週は、経済の話題です。