

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2002-02-04 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
「ここにいる人たちはわからないけど、肩書があるから君と付き合っている人もそうとういると思うぜ」。
私は目の前にいる大手新聞社の友人記者にそうあっさり言った。彼はいささかショックを受けたようだった。むろん、私は人間として彼が好きである。仮に彼から大手新聞社記者という肩書がとれたとしても、私は彼の書いていくものがすばらしいものであることは容易に想像がつくし、彼がジャーナリストをやめたとしても、どんなことをやらかすか、きわめて関心がある。互いに「肩書なし」で付き合っていくことができる仲だと私は思っている。誤解のないようにそういう事を伝えると、彼は笑って理解してくれた。
私は当たり前の一般論を言ったにすぎない。人と人が付き合うとき、それは仕事上の利益関係があるか、どうかという、いわば相手の肩書の利用価値の高低が重要な基準になってくる。とくにその肩書がブランド力があったり、権力を持っていたりすればなおさらだろう。私はドライなことを言っているわけではない。
あなたが将来、人と付き合うとき、そのような前提を認識しているかどうかが大事なのだ。常に自分や相手の「肩書性」を差し引いて、冷静に互いの関係を見つめること。何度も言うが、これは当たり前の人間関係術だと思うのだが、意外にこれができない人が多い。(この稿続く)