

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2002-01-28 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
私はフリーランスのライターだが、企業ジャーナリストというのは、活字でいえば朝日新聞とか、読売新聞とか、共同通信社というマスコミ会社に勤めている人のことをいう。そのなかでも、大企業もあれば、数人しかいない小さな零細企業もある。そういう大企業に私は友人・知人は多いし、尊敬してきた先達として元朝日新聞の本多勝一さんとか、故人になってしまったが元共同通信社の斎藤茂男さんという方々がいる。
たまたま、友人の大手新聞記者と飲んでいたときのことだ。その席には何人かの、気づかいの必要ない間柄の編集者が数人もいた。彼は私と同世代で社会部。取材力、文章力ともにかなりのもので、私は一目置いている男だ。彼が酔ってこんなことを言いだした。「ここにいる皆さんはおれが○○新聞だから、付き合ってくれているのか。おれからその肩書がとれても友達でいてくれるのかなあ」。彼は真剣だった。自分が大メディアにいるという「権力」に(批判的に)自覚的だからこそ言ったのだと思う。だから、私も真剣に言った。「ここにいる人たちはわからんが、君の肩書があるから付き合っている人もそうとういると思うぜ」。(この稿、続く)