

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2002-01-14 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
「不登校」をめぐって、フリースクールの老舗「東京シューレ」代表の奥地圭子さんと論争がはじまってしまった。私が編集を手伝っている『子ども論』(クレヨンハウス)2001年9月号で、精神科医の斎藤環さんといっしょに、不登校について考えている疑問を提示したら、奥地さんが猛反論してきたのだ。奥地さんの反論は同誌の2002年2月号に載っている。斎藤さんと私はそれに対しての再反論をいま準備している最中だ。ゆくゆくはインターネットや単行本で一連の過程や双方の論を一度に公開して、読者の審判(そんな大げ
さなものじゃないけど)を仰ごうと思っている。雑駁に言ってしまえば、斎藤さんと私は「不登校」幻想なるものに疑問を呈したにすぎないのだが(2001年9月号の記事は、山下英三郎さんという日本初のスクールソーシャルワーカーもいっしょに、ひきこもりと不登校の関係性について鼎談した内容)、奥地さんはそれもお気に召さなかったようだ。議論の一端を紹介したい。私は以前、『不登校新聞』というメディアに取材を受けたことがある。同紙を発行している東京シューレというフリースクールの老舗が私を授業に呼んでくれたついでにインタヴューも引き受けたのだ。そのとき、大学生だという編集長が「藤井さんはジャーナリズム界の不登校児ですね」と言ったのだ。かれは私がフリーランスで自由に活動している様を不登校に例えたのだ。かれは私を褒めてくれたのだ。しかし、私はすぐさま「まってくれ」と言った。(この稿、続く)