

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2001-10-01 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
『オイこら!学校』という本が本屋に並んだのは、私の高校の卒業式と同時だった。と、いっても私は授業に出てはいるが聞かず、テストを受けても放棄、という生活を送っていたので、卒業に必要な単位が取れずにいた。けっきょく追試を2回うけてようやく卒業証書が出たのだが、じつは証書は取りに行かなかったので、いまだに見ていない。高校側は郵送してくれたどうかもわからなし、噂によると職員室のロッカーの上に放置してあるというのだが卒業して20年近くなるのでいまとなってはどうでもいいのだが。
本は私が8割ぐらいを書き、あとは2人の友人が担当した。本屋に並ぶやいなや、地元新聞で紹介されたこともあり、たちまち売れはじめた。私も本が刷り上がる直前に、名古屋市内の本屋をまわり本を置いてくれるよう頼んだ。営業である。名古屋駅前の大型書店は若い書店員が手書きのポスターを何カ所も貼ってくれた。そのせいでその本屋では月刊売り上げが1000冊をこえてしまい、当時ベストセラーになっていた林真理子さんのエッセイ集を上回ってしまった。
本には、私への連絡先として市内のワンルームマンションの住所を記しておいた。印税をみこんで事務所を借りておいたのだった。すると本が出た翌日から数通の手紙が舞い込むようになった。数日、事務所に行かないとポストにあふれるぐらいだった。そのほとんどが県下の高校生をはじめとした同世代からだった。
私は毎日、小躍りして喜んだ。