

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2001-08-20 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
高校生であった私は「愛知の管理教育」を告発する運動に没入する生活を送るようになった。現状がひどいと聞けばその学校に走り証言をとってまわり、記録した。ある時はその学校の生徒たちに現状を変えようと訴えかけるビラをまいたりもした。友人3〜4人とミニコミをつくり自分で集めた証言を書いたり、ちいさな市民集会で発表するようになったり、マスコミの取材に協力するようになった。そのうちに、左翼系のミニコミから原稿依頼がちらほらと舞い込むようになり、高校生の見た愛知の管理教育の実態というテーマで書くようになった。
と同時に私は、市民運動の情報誌や教育関係のマイナーな雑誌を(これまたマイナーな書店で)買い、自分たちの他に地元やあるいは日本各地にいかなる教育運動があるのかを調べ、積極的に手紙などを出すようになった。同じ思いを持つ人達と「つながろう」と思ったのだった。見も知らぬ人たちと──同じ思い、というより、同じ怒りといったほうがいい──とつながりたいと希求したのは生れて初めての経験だった。友人を積極的につくるタイプでもなかった私が、激しく人見知りをする性格の私が、他者とつながりたいという衝動につきうごかされた。そんな中で今の私に大きな影響を与えた人と会う。