

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2001-06-04 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
中学と同じ敷地の高校に入学すると、そこは中高一貫教育をうたっておきながら、まるで逆の教育方針に感じられた。中学はものすごい量の受験知識(大学にそなえて)を飲み込まされ、校則は尋常ではないほど事細かく決められ、教員は容赦なく体罰をふるう。いわば管理教育の典型のようなところだったのに比べて、高校は一転して自主独立の精神がよしとされ、校則はあってなきがごとくのもので、生徒会等の自治活動からはじまり政治活動や社会活動に参加するのもとがめられることはない。
教員も露骨な体罰依存型はすがたを消し、教え方やユーモアのある教員は尊敬される一方、教え方がだめだったり気が極端に弱かったりすると、先生としての権威どころか、存在まで無視されかねない雰囲気だった。それぐらい校風に差異が際立っていたから、やはり中学と高校の教員交換はないということであった。
私は成績の下落と停学事件ですっかり意気消沈していたのだが、その校風にふれたとたん、水を得た魚のようにというとカッコいいが、それまでにためこんだコンプレックスを払拭すべく、さまざまな自治活動に頭をつっこんでいくことになる。勉強はますますしなくなり、唯一うちこんでいたバスケット部もおざなりになったが、私はだんだん学校が面白くなってきた。