

1965年愛知県生れ。ノンフィクション作家。主な著書に『17歳の殺人者』(ワニブックス)『学校的日常を生き抜け』 (教育資料出版会)『美しき少年の理由なき自殺』(メディアファクトリー)など。
2001-05-28 号
藤井 誠二(ノンフィクション作家)
私は一端の「ヤンキー」を気取り、悪事を重ねつつあった。とはいっても、教員を殴るとか、他校に殴り込みをかけるとか、暴走行為をするとかといったことには憧れはしたもの、おじけづいてしまう方だった。悪事とは、何人かとつるんで学校付近で万引きをしたり、喫茶店にたまって煙草をふかす程度のかわいいものだった。まあ、かわいいといっても、万引きは立派な犯罪である。
私たちは、その戦利品を教室で山分けしたり売買するようになった。それもおおっぴらにだ。やがてその行為は同じクラスの同級生から担任にハガキで密告されることになり、われわれ万引き団は1週間程度の停学処分となる。中学3年生のことだった。
それまで典型的「よい子」できた私はさすがにこたえた。「よい子」に育ててきた母親らもそうとうおちこんだようだ。教員たちが私を見る目をガラっと変えた。おまえは人生の落伍者である、というようなことを言ってくる教員もいた。
私の通っていた中学は6ヵ年一貫教育のため、次にこのようなことをした時には即刻退学という誓約書を書かされ、高校に進んだ。1981年、私は同じ敷地内にある校舎へ移動するだけの高校入学をする。