

ヴィジュアリスト。高校時代に8ミリ映画を作り始め、大島渚ら映画監督に高く評価される。常に先鋭的な映像制作にチャレンジし、映像メディアのほかジャンルを超えた表現活動を続けている。
2001-08-03 号
手塚 眞(ヴィジュアリスト)
ぼくは子供の頃、机の下に潜るのが好きでした。
そして薄暗い奥の方にはまる。
なんだか、お坊さんが修行しているようなスタイル。
きっとそこに自分の世界を作っていたんだと思う。
洞窟みたいなところが好きなんだ。本当の洞窟に行くのも好きだけど、狭くて暗くて、奥に深い、そんなところにはついフラフラと近寄っていってしまう。地下道も好き。
自分だけの世界って、リラックスするには手頃だよね。
ぼくの仕事部屋は、洞窟をイメージしている。
壁も天井も、机もグレー。家具は黒。
ところどころに拾ってきた石や木や、天然の素材が置かれている。水晶や化石もある。何もぜんぶ本物でなくてもいいわけ。小さな石一個でも、想像をかき立てるヒントにさえなれば、それらの物体を心で繋げて、たちまち特殊な自分だけの空間を作ってしまう。他人にはともかく、ぼくにはリラックスできる素敵な城。
人に押しつけられた環境で何かするより、ずっと仕事もはかどるんだ。
そのために必要なのは、自分の好きな手頃なモノと、それを広げて使う心の技術。