

ヴィジュアリスト。高校時代に8ミリ映画を作り始め、大島渚ら映画監督に高く評価される。常に先鋭的な映像制作にチャレンジし、映像メディアのほかジャンルを超えた表現活動を続けている。
2001-06-08 号
手塚 眞(ヴィジュアリスト)
ぼくは映画の監督をするから、とにかく人とよくしゃべる。
監督術の秘訣は、おしゃべり。相手が俳優でも、スタッフでも、お客でも、必要があれば徹底的に話します。
もし自分の映画のことや仕事のことを話せといわれれば、一晩だって話し続けちゃう。
でも話し方にコツなんてない。とにかく、一生懸命こちらの気持ちや考えを伝えます。無理に格好つけた言葉や高尚な文句で話す必要はないと思う。
かっこ悪くても、ぎこちなくても、ダサくても、気持ちが伝わることが大事だから。
本当に言葉が出てこないときには、「ホラあれ、なんて言えばいいんだろう、うーん、言葉が浮かばないよー」って、バカみたいだけれどそのままストレートに言っちゃう。
必死に言葉を探しているその気持ちが相手に伝われば、それだけでも充分です。
撮影現場の監督なんて、だからちっともかっこよくないよ。必死なだけだから。
だけど、格好なんかに構っていられない、その必死な態度が相手の気を引いて、結局みんなはぼくの話を聞いてくれるんです。
構えた態度からは、けっきょく無駄な緊張を生むだけだしね。