

ヴィジュアリスト。高校時代に8ミリ映画を作り始め、大島渚ら映画監督に高く評価される。常に先鋭的な映像制作にチャレンジし、映像メディアのほかジャンルを超えた表現活動を続けている。
2001-04-27 号
手塚 眞(ヴィジュアリスト)
よく写真を撮られるとき、「はい、リラックスして」っていわれるのだけど、よけいに緊張してしまう。「はい、チーズ!」って、あれもダメ。「あっ笑わなきゃ」って意識するから、かえって引きつり笑いになっちゃう。
ぼくは仕事がら取材受けることが多くて、しょっちゅう写真に撮られてる。でも、慣れないんですね。経験すればするほど、いろいろよけいなことまで考えちゃう。たとえば「はい、カメラの方を見て」っていわれると、カメラのどこを見るの? レンズ? それともレンズの奥のカメラマンの眼? それとも、そのカメラマンよりずっと後ろの方? なんて悩んじゃう。
うまく写ろう、かっこよく見せようって想うからいけない。きっとリラックスしている自分が一番いいはず。そこで「よーし、リラックスするぞ」って思うと、間違えて気を抜いちゃう。出来上がった写真は、なんだかボケッとした顔で写ってる。トホホ……。
「リラックス」と「気を抜く」は違うんですね。「力を抜く」と「気を抜く」の違いなのかな。そこで黙ってるとどんどん緊張するから、喋っちゃう。カメラマンや、周りの人とおしゃべり。喋るのってエネルギー使うんだけど、少しだけ自分を取り戻せるからね。だから「いま写すから黙ってろ」っていわれると、タイヘンです。