

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2003-01-12 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
未来の問題に立ち向かうために大人がすべきは、若い人たちが力を存分に発揮できるよう手助けすることだと書きましたが、むしろ、手助けより邪魔をしないことの方を考える必要があります。
やれ、お前のためを思って…
まだお前にはわからないから…
誰のおかげで育ててもらっているんだ…
等々の理屈で、大人は子どもの考えや行いを制限しようとします。もちろん悪意ではなく、愛すればこその善意である場合がほとんどなのですが、それでも一方的に制約をかけている事実は否めません。
まず、子どもたちが自由な発想や活動をするのを妨げないようにする。それを大人たちに提案したいのです。
子どもたちが好き勝手をして収拾がつかなくなる!
との声が飛んできそうです。「今の子どもは…」派の頭の固い人々は、子どもが少しでも自由になるのが不愉快なようです。まあまあ、ここは興奮なさらずに。なにも、制約を全部撤廃しようというのではないのですから。
要は、「原則」と「例外」の整理をきちんとしたらどうかと言っているに過ぎません。
すなわち、子どもは自分で考えたり行動したりしてはダメなのが原則で大人が許可した場合だけ例外として認められる、のではなくて、自由に考え行動するのが原則であって例外的に特別の場合大人が介入するという「原則」と「例外」の関係をきちんと確立した方がいいと思うのです。
大人が子どものためにどうしても必要と思えば、制約を作ってもいい。ただそれは、あくまでも「例外」なのであって本筋は子どもの自由を尊重するところにあるのだと明確に認識する必要があります。
子どもが幼い段階では「例外」がきわめて多くなるでしょうが、大きくなるにつれ、「例外」を少なくして「原則」を尊重する部分が増えていかなければなりません。
それが、子どもの自立を助け、一個の人間を育てていくということになる。そうやって育つ自立した個人にこそ、これから地球全体が直面する未来の問題に立ち向かう力があると思うのです。