

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-11-17 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
「ヤマ男」さん、掲示板への投稿ありがとうございます。先週はちょっと怒りが先走ってしまい、きつい文章になりました。あなたのおっしゃる通り、大多数の学校、大多数の教師たちは、不平不満など抜きで教育活動に打ち込んでいるのです。不平不満ばかりで仕事をしない人たちには退場してもらって、「ヤマ男」さんのような意欲ある若い教師を大量採用できるようになるといいのですが…。
でも、それも遠い日のことではないと思います。国民の皆さんが、きちんと教育に関心を持っていただけるようになりました。きちんと、というのは単なる教育熱心とは違い、学校に任せっきりにするのではなく自分が納税者=主役であることを自覚して、学校という場所における税金の使われ方を厳しくチェックしようとする動きを意味します。それが進めば、働く意欲のない教師すなわち税金の無駄遣いですから、退場処分もどんどん行われるようになるでしょう。
退場、なんて後ろ向きの話でなく元気な学校の話題にしましょう。「ヤマ男」さんがATアシスタント・ティーチャーをしている小学校のように、教師も子どもも、そしてそれを取り巻く地域や家庭も前向きに活動している例は、もちろんたくさんあります。
今週は、厚木市にある玉川小学校という全校生徒約200人の小さな学校へ行ってきました。玉川という美しい川の流れをたどっていくと、校庭の裏がすぐ山になっていて、その山がみごとな紅葉。すばらしい自然に包まれた建物です。校庭で元気に走り回っている子どもに声をかけると、四年生だという。手を泥だらけにして泥団子作りに熱中していました。手で直接こねて丸めて作ったという団子は、すべすべした表面、ひとつひとつ違う光沢があってまるで芸術品のようです。だいじに、得意そうに見せてくれたのがうれしかった。
この学校の、総合的学習の研究発表会でしたが、ここでは地域の人たちが大勢ゲストティーチャーになって個性あふれる授業が行われています。 インドネシア文化、うどん作り、昔の食生活、畑作り、菊づくり、知的障害者について、水泳指導、自転車安全指導、合奏指導、ペルーの文化、視覚障害者について、昔の川の話、キノコについて、ハーブ栽培、小麦製粉、幼児との交流、川探検、養鱒について、豆腐について、囲碁…
等々、たくさんの人やお店、会社が、子どもたちの総合的学習の「先生」になっている。
もちろん、この「先生」たちに不平不満などあるわけがない。子どもたちと一緒にやれることに、皆大喜び。こんな大人たちに囲まれている子どもは、ほんとうに幸せだなあと思いました。
そうそう、わたしも京都市立祥豊小学校のゲストティーチャーなのでした。5月に訪れたときの話はこのページでも披露しましたね。その後の話を、ぜひ聞いてください。