

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-11-03 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
まじめに仕事をしない教師には退場してもらう。と、その一言で終わりです。
当たり前でしょう。ボランティアではなく給料をもらって働いているのに、自分の不平不満で仕事を手抜きするなんて許されるわけがない。まして公立学校の教師はれっきとした公務員。国民の皆さんが納める税金から給料をもらっている以上、国民全体の奉仕者として働く義務があるのです。本人に不平不満があるかどうかは関係ない。
同じ公務員である警察や消防の職員が、不平不満があるからとか納得がいかないからとかの理由で国民の安全を守る仕事を手抜きしたら、断じて許されないでしょう。教師の中には、よく、自分たちがいかに忙しいかを言い立て、だから十分な仕事ができないんだと言い訳にする人がいます。事件が解決するまで何日も何日も張り込んで捜査する警察官に比べて忙しい教師がそんなにいるとは思えません。
「桶川ストーカー事件」というのを覚えていますか。女子大生からのストーカー被害の訴えに真剣に対応しなかったためにそれがエスカレートして彼女は殺害されてしまった。その責任を問われて何人もの警察官が免職処分を受けています。彼らは、サボったわけでも犯罪を許す気持だったわけでもない。忙しさにかまけて適切な対応ができなかったというのが真相のようです。「忙しいから」は言い訳にならない、その厳しさを、公務員である教師にも求めたいものです。
いや、公務員だから民間より厳しくというのではない。民間企業の方がもっとシビアです。仕事の能率が上がらない社員は、どんな理由であろうとチェックを受けます。
先生方、つべこべ言っている前に、今目の前にいる生徒たちに定められた教育、たとえば本来の形の総合的な学習、そして今回改定された学習指導要領が求めている「わかる授業」と「面白い授業」に全力を傾けてもらえませんかね。
こんな当たり前のことをわざわざお願いしなければならないのだとしたら、日本の学校はいよいよ末期症状なのかもしれません。そうじゃない、大多数の教師は一生懸命やっているというわたしの実感が正しければいいのですが、教育学者先生の騒ぎ立てる「現場」の状況が真実なら、これは大量の教師に退場してもらうことを考えなければなりません。
子どもたちの不登校の数を減らせ、と言う人がいますが、それ以前の問題としてその役に値しない教師に学校から去ってもらう必要がある。ちゃんと仕事をし、子どもたちが毎日受けに来たくなるような授業をする教師をそろえて初めて、学校に来るように勧めることができるのではないでしょうか。