

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-06-23 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
日本、韓国ともに決勝トーナメント進出が実現するとは!
願っていたこととはいえ、実際にそうなってみると、感激してしまいます。中国が予選敗退したのは残念ですが、サッカー競技普及やワールドカップ参加の歴史が浅いのを考えると、しかたないのかもしれません。しかし、たぶん近い将来、盧廷潤『日韓サッカー文化論』にもあるとおり、日本と韓国、中国がサッカーでも東アジアにおけるよき競争相手になると思います。
盧選手のように専門家ではないからサッカーの実力比較はできませんが、それぞれ豊かな経済力と自国文化への誇りを持つ三つの国が東アジアで隣り合っている以上、さまざまな場面で競い合い、互いを認め合い、切磋琢磨していくことが、歴史の必然だと考えるからです。サッカーに限らず、今世紀が進んでいくにつれ、あらゆる領域でそうなっていくでしょう。
そのためには、三国がお互いの考えを知り、その立場の違いまで理解し合い、そのうえで共存、共生していく必要があります。今回のワールドカップを機に、わたしたちは韓国のことをたくさん知り、韓国の人とたくさん出会いました。それは、必ずや将来の日韓関係にプラスとなるはずです。
日本がトーナメント初戦で負けてしまったのはくやしい限りですが、そこまで勝ち進んだ代表チームの健闘ぶりを、むしろ讃えるべきでしょう。そして、強豪イタリアを撃破してベスト8へ進んだ韓国を応援しよう! アジアで唯一勝ち残った韓国が優勝してほしいと望むのは、もはや、わたしだけではないはずです。
日本が敗退したからもうワールドカップに興味はない、なんていう人はいないはずです。だとすれば、次は韓国チームを熱く見つめてはどうでしょうか。で、韓国が負ければ、また残ったうちのどこかを応援する。最後は、優勝国が残るわけですが、わたしはこれを、子どもたちにはこう言いたいのです。 結局、優勝したところは、わたしたちが属している地球という大きな地域の中でいちばんサッカーのうまいチームだということになる。だとしたら、自分たちの学校でいちばんサッカーのうまい子や、日本でいちばんサッカーのうまい=日本代表選手をカッコいいと思い、すごい! と認めるように、優勝チームを讃えようじゃないか、と。