

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-06-16 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
6月3日のNHKラジオ「いきいきホットライン」でも、試合結果だけでなく世界とのつながりについて考えてほしいと訴えさせてもらいました。いろんな国のいろんな文化に接したい。毎日のニュースでも、わたしは競技関連の情報より、カメルーンを迎える大分県中津江村の騒ぎのように周辺の話題の方に関心があります。
鹿島スタジアムの近くに作られたプレハブのサポーター・キャンプで対戦相手同士のドイツとアイルランドのサポーターが試合後ビール片手に盛り上がったとのニュースもよかった。
子どもたちにとっても、今回のワールドカップはサッカーを楽しむだけでなく、世界に目を向ける絶好の機会だと思うのです。
1964年に東京オリンピックがあったのは皆さんもご存知でしょうが、そのときわたしは小学6年生でした。あの記憶は、いまでも鮮明に残っています。オリンピックで初めて知った各種競技に惹かれたのはもちろんとして、それより強烈だったのは、世界にはいろんな国があり、いろんな人々がいるということをはっきり認識した思いです。
現在のわたしの国際感覚の根っこはここにあると言っていい。オリンピックの後、選手になるのを夢見た子どもは多かったと思いますが、スポーツ苦手のわたしは、外交官になって世界を飛び回る夢を抱きました(中学で、受験のためだけに教えるような英語に幻滅し、その夢はあっさり消えましたけれども)。
ラジオ番組の中では、観戦に訪れる外国人を受け入れるホストファミリーになるご家族が紹介されました。家族代表で電話出演してくれたのは、高校3年生の浅井道治さん。イギリスに一年留学してホームステイを経験したそうで、今回はそのお返しのつもりで両親を説き伏せたといいます。
受験生なんだけど、こんな機会は二度となさそうだから、と決意を語ってくれた浅井さんは、受け入れを前にした気持を「楽しみなのと不安なのと両方ですか?」とのキャスターの問いかけに、力強く「楽しみなだけです!」と答えていました。
頼もしいなぁ。わたしなんかがつべこべ言わなくても、若い世代は世界へ目を開いてくれているのだと感じました。