

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-04-21 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
育休をとることで、わたしには到底できっこない子育て体験をしたKさんですが、その体験は子どもたちのためだけではなく彼自身のためにもなったのだと思うのです。 たとえば、こんなことに彼は気づきます。 【…子どもが生まれてある程度育つまでは、自分(親)の時間は子どもの時間・ペースで進んでいく。…(中略)…「おとな時間」では進んでいかないことが多いね。でも、そこは「子ども時間」。子どもは「子ども時間」でしか進んでいかないもの。そこに「おとな時間」を適用するから、大人はイライラ、カリカリするんだろうね。】
また、順調なときばかりではなさそうです。 【…毎日毎日繰り返される育児。何となく閉塞感が生じ、決まったことを繰り返すことが第一となる。自分には「そうしなければ」という圧迫感さえある。】
きれいごとばかりですむわけはない。イライラするときもあるでしょう。そのときKさんは、「なんとか打開策が欲しいところだ」と考え、二歳の長女と一緒に小さな旅に出てみたそうです。梅の花がほころぶ近郊の峡谷への半日のピクニックは、「自然のすばらしさを大いに堪能し、終始楽しいものとなった」といいます。
そして、その晩… 【…子どもが半分眠りながら口にした言葉が、子どもという存在が愛らしいものであることを再認識させた。「お父さん、花乃(娘の名)、うれしかったよ。」そう言って、寝入った。】
「自分という人間がこんなに小さな存在で、ちっぽけなものだったか」とKさんは思います。閉塞感や圧迫感は、娘のひとことで雲散霧消する。
こんな育休生活を終え、彼は「みなさん、そして妻、本当に感謝、感謝である」という境地に達したようです。 【私の「育休」は終わるが「育児」はこれからも続いていくのである】
…とコラムの最終回を結んだKさんを、わたしたち職場の仲間はこれからも応援していきたいと思っています。
高校生の皆さん、育児ってカッコいいなと思いませんか?