

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-02-10 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
女子少年院で行われている授業、つまり、できるだけひとりひとりに目を向け授業内容がわかるようにすること、また、総合的学習を導入して生活実体験と結びついた形で知識や技術の必要性を認識できるようにすることは、この四月から全国すべての小中学校に導入される新しい教育システムと全く同じものです。実は、視察のお誘いをいただいたのも、文部科学省がやろうとしている教育を先取りしているつもりだからぜひ見てほしいという趣旨だったのです。
よく、今の子どもは勉強しない、大学生はバカになっていて講義の最中でも携帯やメールに夢中だ、とか大人は言いたがりますが、わからない授業をおとなしく聞くわけがないし、興味のわかないことを進んで勉強する気になるわけがない。「興味のもてる講義だったらちゃんと聞くよ」という大学生たちの言い分も、ある意味わかります。大学の講義って全然面白くないものが多いですからね。
まあ、大学は自分が行きたくて行ってるはずなんだからちゃんと勉強しろよと言いたくなりますが(とはいえ、わたし自身はどうだったかというと… この話は改めて書きましょう)、小中学校の場合はそんなふうに突き放していいのかどうか。勉強しろと言うのなら、まず、わかる授業、興味のもてる授業をできるだけ工夫する必要があると思います。もちろん、あらゆる場合にそうできるわけではないでしょうが、少なくとも教師たちが常に努力することは必要です。
子どもは嫌なことでもやらなくちゃいけない、と信じている人たちがいる。わかるようにとか興味がもてるようにとか甘やかすんじゃない! とよく怒鳴られます。たしかに、そのとき嫌なことでも後になって困らないようにやっておかなければならないこともあるでしょう。だからといって、最初から、つべこべ言わずにとにかくやれ! ではいけないと思います。
どうやったら子どもたちが勉強しようという気になるか、それを考えるのは大人の責任なのです。