

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2002-01-06 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
新年おめでとうございます。
今年、2002年は日本の学校が大きく変わり始める年です。4月から学校5日制の完全スタート。そして、小、中学校で新しい考え方に立った教育が行われるようになります。明治5(1872)年以来130年に及ぶ学校の歴史を全く変えると言っていい。
どう変わるか。教育する側の都合に合わせた学校から、そこで学ぶ側の立場を尊重する学校にするのです。生徒が受け身で先生から知識を注入されるのでなく、自分が何かを学び育つ主体であることを認識できるようにする。となれば、画一的に全員が同じ事をやるのでなく、ひとりひとりの興味、関心、意欲、能力に応じて学ぶ内容とスピードが違ってもいいようにしなければなりません。
高校は?と高校生なら思うでしょうが、実は高校は既に画一教育ではないシステムに移行しているのです。ただ、それが見えないのは、中学校までが全く画一的なので高校へ入っても「皆と同じでいい」という発想がそのまま持ち込まれるから。大半の高校生が、専門高校や総合高校でなく普通科を選び学校側が決めたとおりのカリキュラムで高校生活を送ってしまうからです。
小学校から学校教育の構造を変えれば、高校は多種多様な学習をする場になる。自分のやってみたい仕事や知りたいこと、身につけたい技術に応じて、何の科目を履修するかを自分で決めるのです。それが、21世紀の高校像と考えています。
皆さんはどう思いますか?
ただし、この改革を成功させるかどうかは大人たちの意識改革ができるかどうかにかかっています。親や教師をはじめとする大人が20世紀の「いい学校いい会社」神話を引きずり続けるとするならば、うまくいかないでしょう。また、子どもなんかに自分のことを考える力があるわけないから大人の言うとおりにすればいいんだ、と決めつけるなら何も変わらない。
2002年は、そのことが問われる。日本の大人にとっての正念場だと思います。