

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-12-23 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
高校生の皆さんにとっては、1年は長いと感じることが多いでしょう。わたしがその年代の頃もそうだった。ところが、年をとればとるほど、一年は短いのです。年末を迎え、えっ!
もう1年たっちゃったの?
という感じ。17歳にとっての1年は人生の17分の1ですが、わたしの一年は人生の49分の1なんですね。だから3倍くらいの早さで時が過ぎるように思えます(分数っていうのは、こんなことを考えさせてくれたりします。「数学は生活に関係ない!」は違いますよ)。
なんといっても、今年最大の事件は9月11日の同時多発テロでしょう。
これについては、もう、これまでにたくさんの論評がなされていますから、今さらわたしが改めて論じる必要はないかもしれません。だからここでは、ちょっと違った視点でひとこと触れてみたいと思います。
ジェット旅客機が超高層ビルに激突するテレビ映像を、映画みたいと感じた人があまりに多いのには驚かされました。わたしにはおよそ程遠い感覚だったからです。どうやら問題は、わたしが日本映画しか観ないところにあるらしい。映画みたいと思おうにもなにも、アメリカ映画に頻出するというああしたショッキングな映画場面を見たことがなかっただけの話。
別に外国映画を避けているわけではありません。ただ、日本映画がいちばん好きだからそれを優先して観ると洋画は順番が後になる。日本映画をたっぷり観て、さらに余裕があればそちらへ行くのですが、残念ながらそこまでの暇はありません(日本映画なら『ゴジラ』だってワクワクして映画館に足を運ぶ。今度の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ
大怪獣総攻撃』は、ゴジラ映画の中でも屈指の傑作です)。結局、アメリカ映画を観るところまで至らないのです。
しかし、こんな「変人」を除けば、日本人のほとんどが映画=アメリカ映画となるほどアメリカ映画漬けになっているんですね。9.11事件から、わたしはそんなことを感じてしまいました。で、ことは映画だけの問題じゃない。われわれが受け入れる外国文化のあり方にも通じるのではないかと思うのです。
次回もこのことをもう少し考えてみたいと思います。