

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-12-09 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
有識者とか評論家とかいう人たちがよく物知り顔で言うセリフ。「東京都内の公立中学校は陥没している!」。その理由は、「優秀な子は私立に流れていくから」だという。こんな話を聞くと大人はすぐに納得してしまう。そればかりか、当の公立中学校の教師たちまでそう思い込んだりするから始末におえません。そんな安直な考え方は、はっきり言ってサボりの口実です。子どものレベルが低いからうまく教育できないんだ、と逃げてるだけではないでしょうか。
わたしは断言したい。公立だからってダメなわけじゃない、と。
現在放送中の『三年B組金八先生』を見ていますか?
わたしは毎週ビデオにとって欠かさず見ています。あれは東京都足立区の公立中学校という設定です。 あの学校はひどい学校でしょうか?
わたしは、すばらしい学校、すばらしい生徒たちだと思います。地域の大人たちと協力して子どもたちのために奮闘する教師たち、みんなやんちゃで問題児も多いが元気な生徒たち。
学校や子どもの一部分だけを見てあれこれ言うのでなく、『三年B組』の半年間をきちんと見ていけば、健全な子どもの姿がわかってくると思います。三Bの教室は大騒ぎになることもあるけれど、あれが「学級崩壊」と言えるでしょうか。
でもドラマじゃないか、と冷ややかな声が聞こえそうです。ドラマだから? とんでもない。たしかにフィクションではあるけれど、綿密な現場取材の結果として作られているのです。わたしも都内の公立中学校をいくつも実際に見ています。最近も、江戸川区立二之江中学校にうかがいました。まるで金八先生の学校のように、地域の大人たちが学校に日常的に出入りして支えてくれています。先生たちもやる気に満ちて、そしてなにより生徒たちのいきいきしていること! こんな現実をちゃんと見ようともせずに「公立中学陥没論」を振り回す連中には、つくづく腹が立ちます。
『金八先生』の話も含め、公立学校はホントにダメなの?
というテーマをしばらく語りたいと思います。公立中学校出身の高校生のみなさんからの意見、待っています。