

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-12-02 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
今週は、旅をしながらこの原稿を書いています。
滋賀県で地域社会について考えている人たちの集まりで話をし、翌日は熊本市のPTAで講演。米原→京都→博多→熊本とJRを乗り継いでの車中で、これを書いているところです。とはいえ、わたしは生来の旅行(特に鉄道での)好き。今日も、米原駅の駅弁「おかか御飯」を食べることができて満足しています。全国各地の駅弁を食べるのが趣味だもんですから。
それと、滋賀でも熊本でも、各地に集う大人たちが自分の利益になるわけでもない純粋な思いから、教育や子どもたちのことを一生けんめい考えようとしてくれているのが、とてもうれしいのです。教育改革というわたしたちの提案に対して、昔だったら考えられないほど多くの人々が真剣に受け止めてくれています。日本の大人たちも、決して捨てたものではありません。
先週、先々週に紹介した本『生きてていいの?』にも、大人たちから大きな反響が寄せられつつあります。生きてていいの?とは藤野知美さんの切実な問いかけ。これを受け止めきれないようでは、われわれ大人はいよいよ情けない。こんな子どもの声に耳をふさいで生きてていいの?というのが、同じ大人であるわたしから日本の大人たちへの呼びかけのつもりです。
近頃の子どもは……と突き放したり、忙しいもんだから……と逃げたりせずに正面からぶつかっていく勇気が、実は大人たちにこそ必要なのではないでしょうか。
わたしの呼びかけに応えてくれる大人は、着実に増え続けています。これまで、お金のことや世間体のことばかり気にしてしまって子どもとしっかり向き合ってこなかったわたしたち大人ですが、いつまでもこんなことでいいとは思っていません。オジサンたち、オバサンたちも、「変わらなきゃ!」と思っているのです。
しかし、そうした大人たちの集まりで必ず出るのは「学校を変えなきゃ!」の声。学校や教師の在り方を今の時代に合ったものに変えていくため、いよいよオジサン、オバサンが立ち上がり始めました。