

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-11-18 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
今回は本の宣伝をさせてください。
わたしも名前を出してはいますが、オススメの理由はそれじゃない。主たる著者である現在20歳、執筆当時は皆さんと同じ年代の16歳の少女の書いた文章を、ぜひ読んでほしいと思うからです。
書名は『生きてていいの?』。近代文芸社(〒112-0015東京都文京区目白台2-3-1 TEL:03-3942-0869 FAX:03-3943-1232)から定価1300円で11月20日に発売されます。
タイトルのような切実な問いを発せなければならなかった少女の名は、藤野知美さん。1981年3月13日東京生まれ。小学校6年間ひどいいじめに遭い、中学校では不登校からひきこもりに。そしてようやく去年、4年半かけて通信制高校を卒業することができました。

この本の中で知美さんが綴っているのは、教師も親も、大人の誰もがわからない「いじめ」の真実です。彼女が書いた文章の各章のタイトルを並べてみましょう。
いじめのはじまり
忘れられない台詞
鏡の前で笑ってみる
「先生」という名の刃
心に染みついた冷たい空気
とうとう、死を考える
体育館での恐怖
たった一人で支え続けてくれたはるちゃん
「傍観者」は黙って見ていないで団結して
人をいじめてもいい人なんて存在しない
言いたかった言葉
小学校生活や中学校生活を最近経験し、「いじめ」の場面にも直面しただろう皆さんには、想像がつくかもしれません。でも、大人たち(特に教師)にはきっとわかっていないだろう「いじめ」の実態、そして被害に遭った子がどんな思いでいるのかが、せつせつと伝わってきます。
告発とか恨みを綴るとかいった調子ではありません。16歳の知美さんが小学校以来の10年間を振り返り、そしてこれからの歩みを踏み出すためにどうしても書く必要のあった文章なのです。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたいと思います。