

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-10-28 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
こんな記事がありました。朝日新聞10月23日朝刊です。
「現場の本音が聞こえる」と題された記事は、国立教育政策研究所などの研究者グループが行った全国7千人の小学校教員意識調査の結果を紹介するのに添えて「先生に、その胸のうちを尋ねた」としてインタビューを構成した文章を載せています。
「問題のある児童は教室から出ていってもらうことも検討すべき」かどうかの調査結果に関連して、北海道の男性教師43歳はこう語るのです。「裸の王様ですよ、担任は」「でも、王様には何の力もない。それを子どもが見抜いた」。
王様? 誰が?
たしかに、「学級王国」という言葉が教育業界にはあった。教師が王様で子どもが国民という考え方。でもそれは既に否定されているはずなのに…。まだこんなことを言う教師がいるなんて、深く責任を感じてしまいます。もちろんこんな教師は少数だとは思うのですが、新聞にこうも堂々と書かれるとショックです。
昔は、公務員全体が王様然とふるまっていました。書類を受け付けてやるんだと言わんばかりの威張った窓口職員、「俺が日本を動かしているんだ!」と気取る霞ヶ関の役人、などなど。でも、今は許されない。公務員は憲法十五条にある通り「全体の奉仕者」であり、奉仕する対象は国民。奉仕するべき相手に対して王様のように君臨する「奉仕者」がどこにいますか? 公務員全体が、そのことを厳しく認識しつつある。
それなのにこんな教師がいるなんて。他の公務員は相手が大人ですが教師の場合は子どもだから、いまだに王様気取りになってしまうのかもしれません。とんでもないことです。学校から「王様」を撲滅するために、よりいっそう頑張らなければならないと、記事を見ながら決意しました。