

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-09-23 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
遅ればせながら、文部科学省もようやくアクションを起こしました。子どもに対してセクハラ行為をした教師は、即、懲戒免職などの手段で教壇から追放してほしい、と各都道府県教育委員会に指導したのです。「指導」というのは、実は教師に対する人事権や懲戒権は文部科学省にはなくて、都道府県や政令指定都市の教育委員会がこれを持っているからです。既に、横浜市や東京都ではこの方針が実施済みですが、それ以外の道府県や指定都市では子どもにセクハラ行為をした者でも軽微な罰が与えられるだけで依然として教師を続けているというのが実状です。
9月17日の読売新聞によれば、厳しい方針で臨んでいる横浜市でさえ、従来はそうでなかったために、女子生徒にヌード写真を撮らせてくれと頼んだ中学教師が今でも教壇に立っているといいます。最近のニュースでも、宮城県で女子生徒たちに「深夜指導」で露天風呂での混浴を命じた高校教師が停職6ヶ月(ということは半年後には現場復帰もあり得る)と報じられています。
はっきり言って、甘い! と思います。この甘さの原因は仲間意識。文部科学省から都道府県、市町村の教育委員会、学校まで「教育業界」ぐるみの仲間内体質が根底にある。どんな組織にも仲間内体質はあって、それはある種必然なのかもしれない。けれども、仲間意識の弊害という問題点については、常に自戒しなければなりません。今話題の外務省事件にしても、結局は仲間内体質の産物でしょう。
この際、「教育業界」の仲間内体質の弊害について、われわれ「業界人」自体が厳しく反省する必要があります。今度の事件でも、犯人の勤務していた中学校の同僚が生徒たちからの「セクハラ先生」との苦情を握りつぶしていたなんて、仲間をかばう悪い習慣の表れでしかありません。ニューヨークのテロ事件のあおりで、この問題が陰に隠れてしまいそうですが、この欄では、うやむやにせずにさらに考えていきたいと思います。
PS 気の滅入る話ばかり続いていますが、ちょっと明るい話を。現在公開中の映画『ウォーターボーイズ』(矢口史靖監督)は、大いに笑えて青春の輝きを感じさせる傑作です。この映画のような学校生活が、どこにでもあればいいのに。