

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-09-16 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
とんでもないことが、わかってしまいました。
女子中学生(しかも1年生といえば、ついこの間までは小学生だった!)を電話交際でかどわかして性的目的をとげるために手錠をかけて監禁し、逃げようと必死の思いで高速道路を疾走する車から飛び降りたのを放置して後続車に轢き殺させてしまった。こう書いているだけでもおぞましく、怒りがこみあげてくる犯罪をやらかしたのが、中学2年担任の社会科教師だなんて!
言語道断。しかし、文部科学省役人であるわたしの立場は、国民の皆さんのように、この鬼畜のような行いに対して怒ったり嘆いたりできるものではありません。だって、同じ「教育業界」の人間のしでかしたこと。一部の教育行政担当者や教師たちが他人事のように論評しているのは、わたしには奇異に感じられます。ひどい、となじるより前に同じ仕事をしている(つまり、子どもたちへの学校教育の責任を共有している)者として、子どもたちや親たち、さらには学校を運営する経費や人件費を負担してくださっている納税者の皆さんに対して仲間が犯してしまった重大な背信行為について痛切な反省とお詫びの気持をもつ必要があると思うのです。
少なくともわたしは、教育行政を仕事とし学校や教師の在り方に責任をもつ役目にいる者として、事件の恐るべき真相が報じられて以来、いたたまれないほどの痛みを感じています。冒頭、とんでもないことが「起こって」じゃなく「わかって」と書いたのは、それゆえです。「起こった」出来事なんて客観できない。こんな人間が教師になり、教師であり続け、子どもを教え導く仕事に就いていた状況の中に共に身を置いていた責任に、深く思いを致さねばならないと思うのです。
この件については、しばらく皆さんとも考えてみたい。高校生の皆さん、生徒の立場としてどう思いますか? 声を聞かせてくれれば幸いです。