

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-07-15 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
前回、公立学校の先生も役人だと書きましたが、えっそうだったの? と驚いた人も多かったでしょう。だって、当の先生たち自身が自分を役人だと思っていないんですものね。「自分は教師だ!」と叫ぶ先生に、わたしは言います。「それは間違い。あなたは『教育という行政サービスに従事する公務員』なんですよ」。教師という職種に誇りを持つのは結構ですが、公務員であることを自覚しなきゃいけない。なにしろ、国民の税金で給料をもらっているのですから。
先生が役人なら、学校は役所のひとつです。税金で建設され、税金を使って運用されている公共機関を「役所」というのです。先生が役人だと思ってないくらいですから、学校が役所だなんてわかっている人も稀だった。そのために、これまでの学校は役所であるにもかかわらず納税者のために存在しているという意識がなく、国民に対する情報公開も説明責任も、全くといっていいほど果たせていませんでした。
まあ、これは学校ばかりを責めてもいけない面もあります。だって、ついこのあいだまでは、中央省庁、都道府県庁、市役所、町村役場、警察署、裁判所、公立病院…すべての役所が情報公開についても説明責任についても鈍感でした。しかし、今や他の役人や役所はみんな、情報公開、説明責任を義務づけられてきている。だとすれば、学校だけが例外ですむわけがないのです。
学校は、そこで行っている教育活動について、生徒の不利になるプライバシー情報などを除いて、原則としてすべて、情報公開しなければならない。学校の内部だけで体罰やいじめを隠すなんてことは許されないのです。また、なぜこうなっているのか、なぜこうするのか、なぜこうならないのか…などの疑問に対しては、相手にわかるように説明する責任がある。生徒の疑問にだって、ごまかしたり押さえつけたりするのでなく答えていかなければなりません。
皆さんが働くようになって納税者になり、真の主権者となるときには、どうせ言っても仕方ない、などと泣き寝入りするようなことがあってはならない。学校だけでなくあらゆる役所に対して情報公開を求め説明を求める国民になってほしいのです。