

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-07-08 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
国を動かすのは官僚だ! いや政治家だ! 今、外務省で田中真紀子大臣と外務官僚の「暗闘」なんていうことが騒がれていますが、単純な話でしかありません。国をどう動かしていくか決めるのは、国民。それが、日本国憲法に定められた国民主権の理念です。
とはいえ、国民はそれぞれ仕事や育児などに忙しい。だから、選挙で政治家を選び、自らの意思を託すのです。で、政治家が国会での議論や法律制定を通して、この社会をどう運営していくかの方向を決めていく。
その方向に沿って各分野の専門的なことがらを担当するのが役人(=官僚)なのです。役人は、国民の税金で給料をもらっている“パブリックサーバント”すなわち“公僕”。「国を動かしている」なんて勘違いもはなはだしい。われわれ役人の雇い主は国民であり、国民の代わりにわれわれを指揮するのが大臣。
以上の大原則を忘れないようにしなければなりません。常にこれを前提にして、議論は行われるべきです。
高校生の皆さんは、まだ選挙権を持っていない人が大多数ですが、将来一票を行使する立場になったときにはこのことを頭に置いた上で誰に投票するか、つまり誰に自分の持つ「主権」を預けるかを決めてほしいと思います。そして、自分たちの僕(しもべ)である役人に、何をしてもらいたいのか、また、どんなふうに働いてもらいたいのかをよく考えてほしい。
役人は、自分たちが使うものだと認識してください。そうなれば、お役人にペコペコしたり、お役所の決めたことだから仕方がないとあきらめたりすることはなくなる。これから有権者になっていく皆さんには、「役人の上手な使い方」を身につけてもらえるといいなあ、と思うのです。
そうそう、私立学校以外の学校に勤める先生も、れっきとした役人なんですよ。