

京都造形芸術大学教授。映画評論家。NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター。「『子どものため』は大人の身勝手。子どもは人質ではない。いますぐできる『学校を楽しくする方法』を教えます」と、文部官僚時代より教育問題に刺激的・積極的に発言する。2006年11月文部科学省を退職。
2001-06-24 号
寺脇 研(NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター)
先週のコラムに対して、掲示板に「ポチ」さんからお便りをいただきました。【これまでに便りをくださったkentaさん、MaksouLさん、澤村さん、うれしく拝見しました。これからもがんばりますのでよろしくお願いします。】「開かれた学校がいい」とのご意見。心強い限りです。マスコミ論調は、初め「開かれた学校」に問題があると言わんばかりでしたが、世論は安易にそれには引きずられなかったようです。知識人気取りの人に限って「民は愚かだ」的意識からなかなか抜けきれないでいるのが今の日本だと思いますが、実は、国民の皆さんはどんどん賢明になってきていると感じています。マスコミに煽られたり一時の激情にかられたりするのでなく、冷静に事態を考えられるだけの力がある社会になってきています。結局新聞も、「『開かれた学校』のジレンマ
安全と両立、決め手なく」(6月9日読売)なんていう不安をかきたてる見出しをつけていたのが、「『開放』と『安全』両立可能
『地域の目』で子ども守る」(6月18日読売)という落ち着いた好記事を提供するようになってきました。校門を閉ざせ!
警察を常駐させろ!
式のヒステリックな議論にならなかったのは、とてもいいことだと思います。誰かが何とかしろ!
と声高に叫ぶのでなく、自分たちも共有しなければならない問題としてとらえ、じゃあ何かをしよう、という方向へ進む。それは、真の意味で民主主義の社会を作っていくために重要な意識です。今回の事件をきっかけに、各地で、地域住民が学校やその周囲で子どもたちを見守る動きが始まってきました。だから行政は楽になっていいや…
なんて喜んでいる役人はダメ役人です。それだけ賢明になった国民の皆さんの行政へのシビアな要求にどう応えていくか、今まで以上に真剣に考えなければなりません。「民は愚か」ではないのです。役人がエリートのつもりになってしまって、「国民は愚かだから代わりに俺たちがちゃんと考えてやって、いいように社会を動かしていくんだ」などと言っていたのでは、許されなくなっています。そのことがわかっていない連中がまだまだいるのが、残念でなりません。このことは次回も考えてみます。皆さんはどんな役人を望みますか?
ご意見をいただければ幸いです。