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      <title>コラム</title>
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      <description></description>
      <language>en</language>
      <copyright>Copyright 2010</copyright>
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         <title>#351 この夏、日本を訪れたスターたち　vol.1 ～『特攻野郎Aチーム』＆『食べて、祈って、恋をして』＆『ソルト』～</title>
         <description><![CDATA[いよいよ夏休みも終わり。
この夏もまた、色々なスターが
映画のプロモーションで日本を訪れました。

今回は、その時の写真を紹介しつつ、
会見やイベントの雰囲気を味わっていただけたらと思います。

まずは、こちら。
8月の中旬に行われた『特攻野郎Aチーム』のジャパン・プレミア。

高校生の皆さんはきっと
“Aチーム”と言われてもピンと来ない人も多いと思うのですが、
これ、もとは80年代にヒットしたアメリカのＴＶドラマなのです。

毎回、危険かつ難解なミッションを
破天荒な“Aチーム”の4人が痛快に成し遂げる人気シリーズ。
日本でも、同じく80年代に放送されました。

映画の冒頭、スクリーンに映し出されるのは、
椅子に縛られた絶体絶命の男。
ああ危ない……というその時！
往年のファンもそうでない人も思わず「ニヤリ」としてしまう
シリーズならではの“秘策”が飛び出す鮮やかなオープニング。

終始、タイミングが絶妙でスカッとする作品ですが、
監督の個性と映画がよく合っているのが伝わってくる。
2002年にトム・クルーズが製作総指揮として参加した
『ＮＡＲC』というシブイ刑事ものの映画があって、
監督は、この作品を手がけたジョー・カーナハンなのだけれど、
どんな人なのかな…とプレミア取材に出かけたら、

<img alt="特攻野郎Aチーム" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_351_1.jpg" width="400" height="272" />

こういう方（いちばん右）でした。ほとんどAチームのメンバーのよう。
キャストの面々とも年齢が近く、終始楽しそうな雰囲気。
映画監督には、わりとシャイで人前が苦手な人も少なくない気がするのですが、
大勢の観客の歓声に包まれながら、レッドカーペットを歩いてくる時も
カーナハン監督は、大きく手を振りながら、ごく自然にノリノリでした。
この映画が面白かった理由が、ちょっとわかる気がします。

ちなみに監督の隣にいるのが、
格闘技「PRIDE」で日本にも来たことがあるファイター、
クイントン・“ランペイジ”・ジャクソン。

このひと、きわどい日本語で面白いことを言うのが得意で、
たびたび会場の笑いを誘っていました。中でも可笑しかったのが
「この映画の公式サイトを見たら、日本人の吹替キャストが載っていて、
　僕の吹替を担当してくれたのが、格闘家の武蔵なのはよくわかるんだけど、
　なぜ、“マードック”役の吹替の人が、ひとりだけパンツ一丁なのか、
　不思議でたまらなかったよ」

公式サイトの「ニュース」を見ると出てきますが、
たしかに、日本人吹替キャストの写真、ほかの3人は
それぞれ役に合わせた格好をしているのだけれど、
マードック役の小島よしおだけは、あのおなじみの海水パンツ姿。

このコメントを受け、マードック役のシャルト・コプリーは、
「そんなの、かんけい？ねい？」とフォロー。
その後、仲良しになった二人の写真が、こちら。

<img alt="特攻野郎Aチーム" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_351_2.jpg" width="288" height="400" />

小島よしおの隣にいる、このシャルト・コプリーも、面白いのです。
『第９地区』(09)という今年とても話題になったSF映画、見ましたか？
この映画で得意の即興劇を披露しているのが、このひと。

彼は経歴も面白くて、12歳の頃から短編映画を監督・主演したり、
幼い頃から即興や物真似が得意だったそうなのですが、
珍しいのは、19歳で会社を設立し、放送業界で活躍してきたということ。
ロンドンの大学で演技を学び、在学中は舞台に立っていたそうですが、
演技以外の経験も積んできた豊かさ、自由さがスクリーンからも感じられる。
たたずまいもごく自然で、こういう生き方もあるのだなと思わされます。

<img alt="特攻野郎Aチーム" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_351_3.jpg" width="309" height="400" />

そして、今回来日していた中で、
いちばん女性の注目を集めたのが、きっとこのひと。
ブラッドリー・クーパー。

話題のＴＶドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』に
1999年にゲスト出演したのが、TVデビュー。
その後も数々の映画やドラマに出演してきましたが、
大きな注目を浴びたのが、高校生の皆さんには決してオススメできない
結婚前夜の花ムコの楽しい酔っ払い映画『ハングオーバー！』(09)。

今回のＡチームでの“フェイス”は、相当なハマリ役。
プレイボーイのキャラクターで、この映画でもさらに人気が高まりそうです。

<img alt="特攻野郎Aチーム" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_351_4.jpg" width="332" height="400" />

そもそも、ドラマシリーズの4人のキャラは、
ひとりが、頼れるリーダー、
ひとりが、モテモテのプレイボーイ。
さらにひとりが、名パイロット。
最後のひとりが、怪力の飛行機嫌い。

今回の映画でも、そのキャラクターを踏襲していて、
ファイターのクイントンが「飛行機嫌い」を
そして即興が得意なシャルト・コプリーが、
ちょっとアブない「名パイロット」を演じていますが、
肝心要のリーダーを演じているのが、
今回の来日メンバーには残念ながら入っていないリーアム・二―ソン。

『スター・ウォーズ　エピソード１』以降の新シリーズで、
オビ＝ワンの師匠であるクワイ＝ガン・ジンを演じたシブイ役者さんです。
重厚な人間ドラマからアクションまで幅が広く、
『96時間』(08)なんて設定自体はかなり強引なのに、
このひとが演じると説得力が出て引き込まれてしまう。
ただかっこいいだけではない、人間の魅力を感じさせます。

そんなキャストひとりひとりの魅力と
監督の持ち味が、スカっと楽しくミックスされたこの作品。
まだまだ夏の暑さが続くこの時期、楽しんでみませんか？

<img alt="特攻野郎Aチーム" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_351_5.jpg" width="400" height="267" />

次週は、『食べて、祈って、恋をして』のジュリア・ロバーツ。
そして、公開中の『ソルト』のアンジェリーナ・ジョリーの
会見の模様をお届けします。お楽しみに。

公開中。
公式サイト：<a href="http://movies.foxjapan.com/ateam/" target="_blank">http://movies.foxjapan.com/ateam/</a>]]></description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/hiroko_tagaya/20100902.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">多賀谷 浩子（フリーランス・ライター）</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 02 Sep 2010 03:14:18 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#477 マスコミの「やり過ぎ」</title>
         <description>マスコミは連日、民主党代表選挙のニュースばかりです。たしかに首相を決めることになる選挙なのですから、大きい扱いをするのは当然ではあります。問題は、その扱い方です。菅首相陣営と小沢前幹事長陣営の批判合戦を面白おかしく紹介したり、どちらに何票入りそうかの予想をあれこれしてみたり、まるで興味本位でしかありません。

重要なのは、菅首相の政策と小沢前幹事長の政策がどう違うのか、このコラムでも前回書いた外交についての考え方がどう違うのか、二人がそれぞれこの社会をどういうものにしていこうと考えているのか…　などの、中身の報道でしょう。

もっと具体的には、二人が日本経済の現状をどう見ているのか、とか、「新しい公共」や東アジア共同体構想をどれくらい熱心に実現しようとしているのか。菅さんが首相だと、アメリカ、中国、韓国、北朝鮮、ロシアといった日本と密接な立場にある国々との関係はそれぞれどうなるのか、小沢さんの場合はどうなのか。

わたしたちが知りたいことはたくさんあります。にもかかわらず、そうしたことが真剣に取り上げられる様子はありません。二人がまだ正式に立候補していなくて公約を公表しないからまだわからない、ですって？　それをこそ予想し、多面的に取材し、国民に知らせていくのがマスコミの仕事ではないでしょうか。

今回の代表選挙など、マスコミが煽って両者の対決を作り上げた部分もあります。たとえば、8月19日の軽井沢・鳩山別荘での鳩山前首相主催のパーティーに小沢さんが出席したときなど、まるで小沢さんと鳩山さんの連合軍が出来上がったかのような報道ぶりでした。

実はわたしはあの場にいました。パーティーに先立って行われた議員たちの研修会で「新しい公共」について話をする役目だったからです。わたしの目から見て、あの時点では連合軍なんていう状態ではありませんでした。はっきり言って、議員たちが陽気に飲み食いするにぎやかなパーティーにしか見えませんでした。

ところがものすごい数の報道陣が詰めかけ、その夜から翌日にかけてのテレビや新聞では大げさな報道が氾濫しました。そういう煽り立てに引きずられるように、その後1週間で菅対小沢の対立構造が作り上げられていきました。これは、マスコミの「やり過ぎ」としか思えません。

高校生の皆さんは、賢いマスコミ報道の受け止め方をするにはどうしたらいいか、考えてみてください。わたしもこのコラムで、そのことを書き続けたいと思います。

次回は、マスコミ報道を賢く受け止めるやり方（これを「メディア・リテラシー」と言います）の例をいくつかご紹介しましょう。</description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/ken_terawaki/20100828.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">寺脇 研（NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター）</category>
        
        
         <pubDate>Sat, 28 Aug 2010 23:45:38 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#404 自分の体内で暮らす、見知らぬエイリアン</title>
         <description><![CDATA[ヒーフー。ヒーフー。連日続く猛烈な暑さ。
ただでさえ暑さ（というよりむしろ湿気か）に弱いというのに、今年の夏に限っては“ニンプ”という役目まで背負っているのだから、かなわない。
「もともと暑がりなんだけど、なんでこんなに“より”暑いのかねー？」
と友達に聞いたら、こんな答えが返ってきた。
「だって今のあなたの状況は、自分のお腹の皮の下で、自分の体と別の人が四六時中、べったり抱き合っているようなもんなわけじゃない、そりゃ暑いわ（笑）。相手のことをどれだけ好きでも、この気候で一緒に抱き合って行動してたら、気狂うでしょ」
確かにそう。
“腰巻きベルト”としてとりはずしが可能ならまだしも、自分の意思とは無関係に体温ある二匹の生物がくっつたままなんだから、おっしゃる通りだわ。

ほとんど無意識で、冷蔵庫の中に頭を突っ込んでみたり。
（気付いたら髪の毛にケチャップついていたけれど）。
暑いと感じる気持ちを別の方向に持っていこうと、おせんべいを頬張るついでに、袋の中に入っていた乾燥剤を体にこすりつけてみたり。
（なんの効果も感じられなかったけれど）。
正常に働かないアタマに突然、自分の体を真っ青にした絵が浮かんできて、『こりゃ涼しくなるはず！！』と、ほとんど本能的に爪だけ青くしてみたり。
（視界が爪だけに占領されていれば、多少はましに感じたような）。

昨晩は、子持ちししゃもを食べながら、思わず「あんたってスゴイ！」と唸ってしまった。
だって、あれだけの量の温度ある（はずの）卵をお腹に抱えていたら、相当息苦しいはず（もっとも重力はないから、地上ほどじゃないのかもしれないけど）。
顔をよく見てみても、目が特に白く裏返っているわけでもなく、口がだらしなく半開きになっているわけでもなかったから、たかがししゃもとはいえ、とってもエライ！！と言える。


まあ、いろいろブツブツ宣いつつも……。
見知らぬエイリアンが自分の体内で暮らしているという感覚を、どこかでちゃっかり楽しんでいるのも事実。
もうそろそろ出てくるはずだけれど、それが今はもう3kgを超す生物に育ってしまっているのだから、これをフシギと言わずになんと言おう……。

特に、体内に自分とはまた別の意思を持った生物が暮らしているんだなあと感じられるのは、お腹の皮一枚を隔てて、“ぐにゅんぐにゅん”“にゅるんにゅるん”と動く時。
まるで、バケツに入った水が、右へ左へと波打つように、このエイリアンも他人の体の中で活動をしている。
やれ、「右へー！！」　やれ、「左へー！」
男性にも分かってもらえるように説明するならば。
誰しも体調不良の時に、胃や腸が、きゅきゅきゅきゅと痛くなって締め付けられるような感触を味わうことがあると思うけれど、まさにあの逆。
“締め付けられる”んじゃなくて、“にょろろーんと伸びる”ような感じで、グルグル、ニューン！ニュン、ニュン！と波打つのだ。
そしてある時は、馬がいななくように、ブルルン、ブルンと騒ぎ。
またある時は、痙攣でもするかのように、ピクピク、ピクン！とひきつり。
こっちが何かに集中したくったって、そんなのお構いなし。
あたしの方は電車の中で静かに、まっすぐに立っているのに、お腹の中のエイリアンが勝手に、右へー！左へー！と激しく寄るもんだから、まるで見えない力に操られているかのように、一人足下をふらつかせてみたり（笑）。
他人から見たら、やたら肥えた女性が「あうーっ！」「ぶわーっ！」と声にならない声をあげながら、単体で左右に体をふらつかせている、という状態。
とどのつまりは、全く別の人が自分の体の中ですでに生きているわけだから、そっちに気を取られて、すべてにおいて作業効率が落ちたり、なんだかぼーっとしてしまって考えがまとまらなかったりするのも、致し方ないということか。
母性に満ち満ちた人なら、そういう瞬間にこそ、我が子への愛情を感じるのかもしれないけれど、まだ姿を見ていない今、どうもそこまで感情移入をすることができないあたしは、この感触が結構気持ち悪くて困っていたりする（苦笑）。

あたしの友達がこんなことを言っていた。
「妊娠するってことは、一種の不動産業みたいなもんだよ。母子一体でめろめろになっちゃう感覚というよりも、どちらかというと、私は、見知らぬ人に自分の体の一部分をある一定期間、貸し出してましたって感覚の方が強かったな」

下世話な話で恐縮だけれど。
ウエストまわりが1mを超すと（この長いジンセイでそうなることはこんな時以外、ほぼ皆無でしょう）……。
まず、お尻が拭けない。精一杯手を伸ばしても、届かない。
そして、足下がまったく見えない（お腹に邪魔されて）。
さらには、床に落ちてるモノが拾えない（から、足で拾うのが上手になる）。
靴下、パンツが履けない（から、フラミンゴみたいな体勢で履く。
もちろん前屈みになれないから、当然、足の爪は切れない。
体重は10kg以上増えているから、30cm歩くごとに、息が切れる。
こんな一連の、不便極まりない症状をいちいちあげつらうことなく、出産へと向かっていく女性たちは、本当にスゴイ。

時は流れ、あたしも賃貸業を卒業間近、エイリアンは来週には出てくる予定。

第一子の時に知ったのだけれど、新生児は自分の頭と体をドリルのように使いながら（つまり、母体に産道という穴を掘り進めながら）出てくる。
道路工事をしているおじさん達が、穴を貫通させる時に使うあのドリル。
命として結実してたった10ヶ月で、自分の体そのものをねじり、ドリルのように使いながら、母親から分離独立するという自然の摂理には、かなり感動した。
近所のおばさんはこう言っていた。
「新生児もね、果物とかと一緒でね、ちょうどいい具合に熟したって時に、木から実がぽろっと落ちるように、自分からぽろりと落ちて出てくるのよ」

さあて。少子高齢化に少しは、貢献するかなっと（笑）。

<a href="http://www.mammo.tv/column/c_Shirakawa_405-big.jpg"><img alt="※クリックすると大きく表示されます" src="http://www.mammo.tv/column/c_Shirakawa_405.jpg" width="282" height="400" /></a>
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『母は強し』アフリカ・マラウィにて]]></description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/yuki_shirakawa/20100828.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">白川 由紀（紀行フォトエッセイスト）</category>
        
        
         <pubDate>Sat, 28 Aug 2010 02:36:21 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#350 ナイト・オン・ザ・プラネット</title>
         <description>冒頭のトム・ウェイツの音楽から、
きっと「なんだろう…このカンジ」と胸に何かが残るこの映画。

独特のざらつきと、地に足のついた落ち着き。
人生にちょっと躓くようなことがあっても、
心の中にこの映画が住んでいれば、
きっと毎日を楽しむことができる…そんな素敵な作品です。

最近だと、このコーナーでもご紹介した
『ブロークン・フラワーズ』(05)などを手がけた
監督の作品ですが、すごく心がこもっている。

派手じゃないし、規模が大きいわけでもない。
けれど、ほっこりと、うれしくなる。
本当に撮りたくて撮っている映画のあたたかみが
じんわり伝わってきます。

この作品、プロデュースも脚本も監督も、
ジム・ジャームッシュの手によるもの。

舞台は世界各地の、夜の片隅。
きっと一番小さな宇宙…１台のタクシーの中。
ロサンジェルス、ニューヨーク、パリ、
そしてローマ、ヘルシンキ。

5か所で同時に起こる、
ドライバーと乗客、
見知らぬ人どうしの５篇の小さなドラマ。

こういう、何気ないひとときを
映画にしようという思いつき自体が、素敵だと思います。

ジャームッシュの映画からは、
監督の出演者に対する並々ならぬ愛情が漂ってくる。
その役者さんがどんな演技をするのか、
本当に楽しみに監督が待っているのが伝わってくるのです。

この映画の舞台は密室。
それも動きの少ないタクシーの中。
だから、ドラマを動かすのは、
ドライバーと乗客の顔。

わくわく楽しみに待たれている
雰囲気だからこそ出てくるのだろう
役者さんたちの表情が、一瞬ごとに魅力的で、
見ていて飽きません。

いちばん最初のストーリーは、ロサンジェルス。
ドライバーは、『シザーハンズ』(90)のウィノナ・ライダ－。
そして、彼女が乗客として車に乗せるのが、
『グロリア』(80)など夫であるジョン・カサヴェテス監督の
映画の数々で知られるジーナ・ローランズ。
この二人の表情、本当に魅力的です。

そして、ウィノナが演じる
タクシー・ドライバーの女の子が、すごくいかしてるのです。
ひとのきもちに敏感で、ちょうどいいタイミングで
乗客の女性にリアルな合いの手が入る。
そして何より、自分がほしいものをよく知っている。

ドライバーの女の子と、乗客の女性のあいだで
これから、起こるやりとり。
きもちのいいオチがあって、
大切なことが込められていて―
きっとこの映画が大好きになってしまうオープニングです。

そして次なる舞台は、ニューヨーク。
エンスト寸前？という状態で、
進んでは止まり、進んでは止まり、
目の前にやってきた一台のタクシー。

そのタクシーに乗ったブルックリンに住む若い男と、
気のよさそうな、たどたどしい英語を話す外国人のドライバー。

あまりにヒドイ運転に
車を降りようとした男のきもちを変えたものとは――？

１篇１篇の中に
さり気なく光る石のように、
たいせつな台詞がちりばめられている。

でも、きれいなだけではないのです。
外見で判断されることを嫌がっていた人が、
別の人を外見で判断していたり……
人間のおろかな部分も描きつつ、
それを笑ってしまうユーモアがある。
そして、あたたかいものが通っている―

パリの１篇は、とてもパワフルな作品。
同情は、世界でいちばん美しくないもの。
それをカクンときれいにおとすストーリーラインがきもちいい。

何度見ても、いいなぁと思わせる５つの小さな物語。
夏休みの終わり、宿題を少しだけ忘れて楽しんでください。</description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/hiroko_tagaya/20100826.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">多賀谷 浩子（フリーランス・ライター）</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 26 Aug 2010 02:58:40 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#476 マスコミが報じない成果</title>
         <description><![CDATA[マスコミだけを信じてはいけない、と最近わたしは言い続けています。

もちろん、嘘が書いてあるからではありません。週刊誌の類は元々虚実ないまぜの情報を提供する性質のものですから別にして、新聞、テレビ、ラジオが嘘を報じることはあり得ません。ただ、報じる内容に偏りがひどいので、マスコミ「だけ」を信じていると真実を見誤ることになると思うのです。

たとえば、民主党政権になってからの外交に対する評価です。マスコミが報じるのは普天間基地の移設問題に関するアメリカとの外交関係のことばかりでした。たしかにこれは、うまくいっているとは言えません。でも、だからといって外交全体が失敗しているかのようにマスコミで評価されているのはおかしいと思います。

外交はアメリカとだけやっているわけではないし、基地問題だけやっているわけでもありません。それ以外の部分では、今までに比べて十分すぎるほどの成果を挙げているとわたしは評価しています。にもかかわらず、マスコミではアメリカとの基地問題一辺倒で、批判を繰り返すだけです。

わたしは岡田外務大臣のメールマガジンを毎号読んでいます。これを読むと大臣の考えていることや行動がよくわかります。寸暇を割いて世界中を訪問し、各国の外務大臣など政府首脳と頻繁に会い、中身のある議論をしているのです。特に、アジアの国々への目配りは、東アジアだけでなく東南アジア、インド、パキスタン、アフガニスタン、中東、さらには中央アジア諸国にまで及んでいます。

これらの成果は、きっと近いうちに表れてきます。また、中国の外務大臣に核兵器廃絶を強く促したりといった思い切った姿勢で、核問題、環境問題などについて積極的に意思を示しています。タフで真面目な岡田大臣らしい几帳面な外交だと思います。

鳩山前首相や菅首相も含め、基地問題以外の外交では今までにない結果を出しているのではないでしょうか。広島の原爆記念日式典にアメリカ、フランス、イギリスという国々の大使が参列したことも大きいと思います。そして何より、韓国併合100年に当たるこの夏にこの問題についての首相談話を出したことを、わたしは高く評価します。首相官邸ホームページには、8月10日に出された談話の全文が掲載されていますので、ぜひ読んでみてください。

歴史の中での過ちを反省し、これからの新たな国際関係を作る努力こそ、何より大切な「外交」ではないでしょうか。
 
●ひとつ宣伝をします。
9月5日、6日3keysの学習ボランティア説明会〜児童養護施設と学習環境、私たちができるサポートを知ろう〜　が開かれます。詳しくはホームページをご覧ください。
<a href="http://3keys.jp/join.html "target=_blank">http://3keys.jp/join.html</a>]]></description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/ken_terawaki/20100822.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">寺脇 研（NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター）</category>
        
        
         <pubDate>Sun, 22 Aug 2010 11:00:30 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#349 さらば、わが愛　　覇王別姫</title>
         <description>学生の頃、どこかの小さな映画祭で
この映画が上映されていて、友人と見に行きました。
見終わったあと、「すごかったねえ…」と言った後、
お互い何も言わず黙々と駅までの道を歩いた記憶があります。
しばらく余韻が残って、言葉が出てこなくなる、
力のある映画。１９９３年の作品です。

逃れられない運命、というのが、
この映画のひとつのテーマになっていて、
それが悲劇的にも甘美にも描かれている。
なんともいえない官能が香りのように残るのです。
時折、はっとするほど美しい場面があらわれる。

舞台は、北京。
物語は１９２０年代にはじまり、
約５０年間の激変する中国の歴史を描いています。
とはいえ、この映画の主たる登場人物は、たったの３人。
３人の男女の愛憎を長い年月をかけて見つめ、
そこに生まれる個人的で濃密な感情を通して、
それぞれの時代が抱えた痛みをあぶりだします。

映画の冒頭は、１９２４年。
遊郭にいる母親に手を引かれ、
半ば捨てられるように京劇の養成所の門をくぐった幼い男の子。
この子が、この映画の主役、“小豆子”。

遊女の息子だと子どもたちに苛められる小豆子を
何かにつけ守ってくれるのが、少し年上の少年、“石頭”。
この男の子、その名のとおり、頭でレンガを割るのが得意芸。
丸っこくて、にーっと笑う、気のいいヤツという風情。

そんな石頭と、柳のような物腰で、
女形を演じる小豆子は、いいコンビ。
恐ろしく厳しい稽古に委縮してしまう繊細な小豆子を
石頭は親のように、兄のように、時には恋人のように見守り続ける。
このふたりの絆が、この物語の中心を貫いていきます。

自分の意志ではなく、厳しい京劇の養成所に入れられ、
選べない運命を必死に生きていこうとする小豆子、
彼の澄んだ瞳、石頭との泣けてくるような絆―

子ども時代の場面が終わりに差しかかる頃、見ているこちらの胸に
なんとも言葉にしがたい、感情のかたまりが迫ってきます。
この感情は何だろう―というような、ちょっと心がふるえるような。

子ども時代の最後に見せる、
小豆子のなんともいえない表情が忘れられません。

やがて、厳しい稽古を積み、大人になったふたりは、
小豆子は“程蝶衣”、石頭は“段小樓”という名で京劇のスターになります。
映画のタイトルにある「覇王別姫」というのは、京劇の演目名。
小樓が覇王を、そしてその姫を蝶衣が演じ、舞台は盛況を極めます。

そんな舞台の上だけでなく、日常生活でも
幼い頃と同じように、いつも小樓と一緒にいたい蝶衣。
けれど、小樓は、遊郭でいちばん人気のある遊女、“菊仙”と婚約してしまう。
その三角関係が、蝶衣を苦しめ続けていく―

蝶衣を演じているのは、レスリー・チャン。
小豆子を演じた男の子の繊細さと、
レスリー・チャンの俗人離れした存在感が見事に重なる。
少し目を伏せただけで、ふわりと醸し出される色香。
「俳優」を感じさせます。

そんな蝶衣に対し、小樓を演じるのは、
最近だと『レッド・クリフ』(08)で曹操を演じていた
チャン・フォンイー。このひとも、うまいのです。
石頭の面影を絶妙に醸し出していて泣かせます。

そして、小樓の妻となる菊仙を演じるのは、コン・リー。
高校生の皆さんは、ウォン・カーウァイ監督の『２０４６』（04）や
『ＳＡＹＵＲＩ』(05)の女優さんというと、ピンとくるでしょうか。

このひとの、華やかな美しさはもちろんですが、
彼女の感情が動くと、場面の色が一瞬にして変わる。
くっきりとした存在感。「女優」を感じさせます。

一瞬一瞬が、鮮やかで艶やか。
チェン・カイコー監督の代名詞的な
一度見たら、焼きついてしまうような映画です。</description>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">多賀谷 浩子（フリーランス・ライター）</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 19 Aug 2010 03:14:39 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#475 なぜ戦争はなくならない？</title>
         <description>今年も終戦記念日がやってきました。1945年8月15日に戦争が終わって65年が経ったわけです。アメリカ、イギリス、オランダなどの国々と戦った太平洋戦争は1941年12月からの3年8ヶ月、中国との日中戦争は1937年7月からの8年1ヶ月にも及ぶものでした。

ヨーロッパではドイツ、イタリアが他の国々と戦い、世界の多くの国を巻き込む戦争が続きました。これが第二次世界大戦です。 兵士だけでなく、いや兵士より多くの一般市民の生命が失われ、数千万人の死者が出たと言われています。

この季節、テレビ、ラジオや新聞などで戦争特集が組まれます。高校生の皆さんにも、ぜひ見たり読んだりしてほしいと思います。今の高校生からすれば、自分たちの生まれる50年前の話ですから、わたしが日露戦争のことを考えるようなものでしょう。戦争体験談というより歴史を知るという感じかもしれません。

でも、この歴史は重要です。鎌倉時代や平安時代の年号や人名を覚えるのとは次元が違います。いまだに日本と中国の間にわだかまりの感情は残っているし、アジアの国だけでも北朝鮮、韓国、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ミャンマー、パキスタン、インドなどの諸国は日本が行った戦争で迷惑を被っています。

もちろん、日本人も大きな被害を受けました。広島、長崎への原爆だけでなく、沖縄戦や東京など各都市への空襲で多数の民間人が亡くなっています。そのことをきちんと考えれば、もう二度と戦争を起こしてはならないと思えるはずです。

ところが、世界全体では、まだ戦争が各地で起きています。先日、高校3年生の山口ゆかさんとラジオ番組で平和について語り合ったとき、彼女が出した素朴な質問は、なぜ戦争は悪いと皆が思っているのに戦争がなくならないのですか？　というものでした。当然の疑問ですよね。

わたしの答はこうです。たしかに戦争がいいと思っている人はほとんどいません。でも、差別や偏見を持っている人はたくさんいます。差別や偏見が進めば、他人を攻撃するようになります。それが拡大し続けていくと、国と国との戦争にまで至るのです。現在の日本でも外国に対して差別や偏見の感情を持っている人は少なくありません。それが戦争にまでエスカレートしないように願っています。すべての戦争は差別と偏見の気持から始まっているのです。

ということは、われわれひとりひとりにできる戦争防止策があるということです。それは、差別や偏見の感情を持たないこと。心がけていきたいものです。</description>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">寺脇 研（NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター）</category>
        
        
         <pubDate>Sun, 15 Aug 2010 00:22:47 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#403 それぞれの日常　ルーマニアへちょいとお散歩　その3</title>
         <description><![CDATA[（前回に続く）
待ち合わせの場所に、ステファンとその奥さんが現れた。
実に7年ぶり。
麦わら帽子をかぶったステファンはちょっとずんぐり体型になり、ちょっとふっくらしていた奥さんはすっかりオーガニックライフに馴染んでいるのか、スレンダーな体型になっていた。
「おー、お互いに生きててなにより（笑）」
「本当に。そっちは人数まで増えちゃって、時は流れたね（笑）」
あ、そういえば。
桃栗3年柿8年、前にスーツケースを一杯にしてわざわざ日本から運んだ栗は？「どうなった？　できた？」
するとステファンはとぼけたような顔で言った。
「……全滅。ジンセイはカンタンじゃない、ネー（笑）」

確かに街（シビウ）の中心は、ここがウィーン、またはフランクフルトだよと言われても全くおかしくないくらいにきらきらしており、歩道を埋めるくらいのオープンカフェがびっしりと軒を連ねていた。
「確か、ほんの15年前はこんなじゃなかったよねー？」
あまりの変貌ぶりにステファンにそう呟くと、彼も大きく頷いた。
「覚えてる？僕たちが立ち寄った時には街（シビウ）には、カフェが2軒、安宿が1軒しかなかったんだ。それが今じゃ、ヨーロッパの観光指定都市に認定された影響もあって、あの賑やかぶりだよ」
さっきまでいた街は、かつて自分がぐるぐる歩き回って『なんてシックな街なんでしょう』と感じていた表情は、もうその面影の欠片もなかった。
今は、西側から毎日やってくる観光客が吐き出され、アイスクリームをぺろぺろ舐めながら、そのちょっぴりディズニーランドチックな町並みを闊歩する。
「ほんと、10年一昔とは言うけれど、変われば変わるもんよねー。まるで同じ場所に立っているとは思えないわ。ところでステファンの村は、雑貨店まで馬車で片道3時間だっていうけれど、それは変わってないの？」
「ははは。経済による都市化の洗礼ってのは不思議なもんで、街とその周辺は激変するけれど、田舎はそうは変わらないもんさ」

私たちを乗せた車は街を離れて、ぐんぐんルーマニアの田舎へ入っていく。
なんだかとっても不思議な光景。
街の郊外には、巨大な商業施設がばんばん建っているというのに、そこを抜けたら急に、いつか見たことのある、連綿と続いてきた伝統的なルーマニアの風景になった。
「オーッ、モウモウ！！」
ぽにょてぃん（娘のあだ名）も、本の中の動かぬ牛を見るより、実際に首振って草を食べてる牛を見る方がうれしそう。
草原の緑と牛の群れとスティックを持った牛飼い。
そして時折、すれ違う馬車。
モノに固められた便利な都会生活と、生々しい自然に囲まれた田舎の暮らしが、2010年のルーマニアではまるでモザイク模様のように、隣り合わせになって存在していた。
「ねえステファン。ちなみに、だけれど、こういう半自給自足の暮らしをルーマニアでやると、月のお金ってどのくらいになるの？」
「んー、オレの家は……ほとんどが電気代で、世帯で月4000円くらい」
「へえー！」
東京の真ん中で暮らせば、消耗材やらいろいろ、税金保険などを合わせると、世帯で数十万は動いている場合が多いから、およそ100分の1かあ！
なんだか不思議な気分になってしまった。
人が一人生きていくのに、そのライフコスト、片や月4000円、片や月40万円。
「“大陸横断バス”をやっていた時は私たち、似たような金銭感覚で、同じことをやっていたのに、ジンセイって流れ流れて到着する場所によって、随分と環境が違ってくるのねえ。オモシロイねえ……。でもいくらなんでも、日本の田舎でも、月4000円では済まないよぅ」
少なくとも。ステファン夫妻の顔はつやつや。笑顔もとっても穏やかで大変にシアワセそうであっても、決してフシアワセそうではなかった。

ステファンの暮らす村に到着。
そこには以前訪問した時とまったく変わらぬ光景が広がっていた。
村人は二人減って13人。平均年齢は当時80歳前後だったから、今は85歳前後といったところか。
両側に並ぶ、お菓子のような家の軒下には、いかにも古き良きヨーロッパを思わせる、頬かむりをしたおばあちゃん達が、何をするでもなく座っていた。
「おーっ、ミリアおばあちゃん！」
まん丸かった体はさらに丸くなり、ちょっと足をひきずっていたけれど、耳の横まで口が伸びる可愛い笑顔は健在。
おばあちゃんの足の不具合にはちょっとした理由があった。
私が以前村を訪ねた時のこと。村はマイナス20度の極寒だった。
たまたま村で唯一の車でもあったステファン車が私を空港まで送りに出払っていたその日、運悪くおばあちゃんは氷に足を滑らせて転倒、馬車も使えなかったので治療が遅れ、ちょっと後遺症が残ってしまったという話を、後で聞いた。
おばあちゃんは小さな体で何度も私の背中をさすり、ほっぺをくっつけてきた。
するとステファンが口を挟む。
「この村のおばあちゃん達の暮らしの中ではイベントも少ない、時間の流れも遅いから、あたしの中でのおばあちゃんの想い出はほんの一部でも、おばあちゃんの想い出の中ではかなり大きな記憶になって、由紀のことが刻み込まれているんだよー」
しばらくラテン国家から離れている間に、あの熱いキスにどうやって対処すればいいのか、あたしは所作がわからなくなっていた。
ミリアおばあちゃんが、あたしの背中をさすりながら唇を突き出してくる。
反射的にこっちも唇を出してしまいそうになったけれど、そのままの横向き体制をかろうじて守ることで、ほっぺたにチューをしてもらったことになった。
次、ミリアおばあちゃんは、ぽにょてぃんの頭を優しくなでると、ぽにょてぃんにも唇を突き出した。
一瞬瞳を大きくしたぽにょてぃんは、どうしていいのかわからなくなったのか、ミリアおばあちゃんの唇をそのまままっすぐに受け止め、“食べた”。
「あはははははは」
おばあちゃんは顔を歪めて楽しそうに笑い転げた。
そしてぽにょてぃんのほっぺをきゅきゅっと、軽くつねった。

「このお腹にももう一人いて、一ヶ月ちょっと後には出てくるんですよー」
「よかったねー。私は18歳で一人めを産んだんだけど、あんたは何歳？」
いやいや、これにはまともに答えられない。だってきっとびっくりしちゃう。
するとステファンが脇でおばあちゃんに耳打ちした。
ミリアおばあちゃんは緑色の目をさらに濃い緑にしながら、驚いている。
「それは、この村じゃもうおばあちゃんになっている年齢よぅ（笑）」

ステファンが村内馬車ツアーを隣人に頼んで企画してくれた。
みんなでガタゴトの馬車に乗り込む。
空は快晴。
空気は緑の香りをほのかに帯び、馬は天にむかっていななく。
村のおばあちゃんおじいちゃんたちは、休み休み農作業をこなし、夕方になると裏庭のニワトリくん達にトウモロコシやり。
家の壁がはがれれば、ステファンが呼び出され、隣人のお手伝い。
薪を起こして朝ご飯。裏庭にレタスと鶏の卵を取りに行って昼ご飯。村内で隣人たちと二言三言会話を交わして夕ご飯。
なんでもない日常が、ぱたぱたと本をめくるように綴られていく。

東京の都会生活から抜け出し、縁あってルーマニアの田舎生活をすることになったステファンの奥さんに訊いてみた。
「前の暮らしと何が一番違うって思う？」
彼女は以前、助産師さんとして仕事をしていた。
ポケベルを持ち、昼夜問わず呼び出されて働く生活を続けるうち、ちょっと疲れを感じていた、とか。
「ここでの生活？　質素だけれど……なにより最高だと思えるのは、“自分のペースで生きられる”ってこと、かな」

村の奥に建つ、夫婦二人で力を合わせて作ったという“自家製”マイホームには、彼らなりの等身大のシアワセがたくさん詰まっているようだった。

<a href="http://www.mammo.tv/column/c_Shirakawa_404_1-big.jpg"><img alt="※クリックすると大きく表示されます" src="http://www.mammo.tv/column/c_Shirakawa_404_1.jpg" width="267" height="400" /></a>
↑Click!
ミリアおばあちゃんちでの朝食

<a href="http://www.mammo.tv/column/c_Shirakawa_404_2-big.jpg"><img alt="※クリックすると大きく表示されます" src="http://www.mammo.tv/column/c_Shirakawa_404_2.jpg" width="400" height="267" /></a>
↑Click!
13人の村で唯一の教会]]></description>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">白川 由紀（紀行フォトエッセイスト）</category>
        
        
         <pubDate>Sat, 14 Aug 2010 14:08:12 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#348 夏至</title>
         <description>暑い国を舞台にすると、
どうしてこんなにゆらゆらと気だるくきもちがいいのだろう。
のんびりとした空気の漂う、ベトナム・ハノイを舞台に、
三姉妹の愛を美しい映像で綴った映画。２０００年の作品です。

監督のトラン・アン・ユンは、ベトナム出身。
12歳で家族とともにフランスに移住し、現在もフランス在住。
それゆえか、ベトナムを舞台にしたこの監督の映画には、
ベトナムの風土とフランスのセンスがごく自然に混ざり合っている。

それは、この作品の会話にもよく表れているのだけれど、
もっと顕著に感じられるのが、インテリア。冒頭から素敵なのです。
はじまりは、主人公の三女・リエンが兄と一緒に暮らしている家。

壁や柱はペパーミント・グリーンに塗られ、一部はレモン・イエロー。
そこに、小花柄や様々な色柄の薄い布がカーテン代わりに掛けられ、
風を大きくはらんで、朝の陽射しに透けている。

外にただよう、暑い国のゆるやかな空気が
明るい色の部屋の中に溶け込んで、うっとりしてしまう。
この場面、兄妹が朝起きる、それだけのシーンですが、
一挙一動がけだるくて、美しい。ずっと眺めていたくなる。

お兄さんが起きると、オーディオに手をかけて、
めざめの音楽のスイッチを入れるのが習慣なのですが、
その音楽も素敵。この映画のひとつのトーンを作っている。

そんな風に、とりたてて大きな出来事ではない、
けれど、保存しておきたくなるほど美しい日常のひとときが、
みずみずしく切り取られていて目が離せない―これは、そんな映画です。

いきもののように呼吸する映像を届ける、
この映画のカメラマンは、リー・ピンビン。
最近だと、こぼれるように美しい夜の映像が印象的な
是枝裕和監督の『空気人形』(09)もこの人の手によるもの。
ウォン・カーウァイ監督の『花様年華』(00)にも参加しているし、
『戯夢人生』(93)をはじめとする台湾のホウ・シャオシェン監督の
作品の数々でよく知られているカメラマンです。
この人の映しだす、有機的な映像世界には本当にため息が出ます。

そんな美しい映像で語られていくのは、
三姉妹の愛のはなし。途中、母の命日に集まった三人が、
母には、父以外に愛した人がいたのかも…
という話をする場面が出てくるのですが、
そんな秘めた恋、一筋縄でいかない恋―
女たちの哀しみが、この土地のやわらかな空気に溶けるように描かれてゆく。

三姉妹が髪を洗うところや、雨の兄妹のひととき、
うっとりするような場面がいくつかありますが、
とりわけ美しいのが、三人が食事の用意をする場面。
暑い国の食べ物は、色もかたちも生命力にあふれていて、
ゆるやかな、夏の国の官能が、スクリーンに広がります。

説明ではなく、映画だから伝えられる
美しいものが、ゆらりゆらりとそこに漂っている。
それぞれの愛を秘めた三姉妹の心模様に合わせて、
三人それぞれの家の壁の色やインテリアが違う。
ゆるやかな作品ですが、細かなところまで行き届いています。

そんなトラン・アン・ユン監督の今後の公開作は、
村上春樹原作の『ノルウェイの森』。
そういえば、こちらのカメラマンもリー・ピンビンです。

ちなみに、登場したとたん、スクリーンに惹きつけられる
三女・リエンを演じたトラン・ヌー・イェン・ケーは、監督の奥様。
夏の盛りにきもちのいい1本です。</description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/hiroko_tagaya/20100812.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">多賀谷 浩子（フリーランス・ライター）</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 12 Aug 2010 03:05:52 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#474 音楽とビジネスと社会貢献</title>
         <description><![CDATA[【自分たちの音楽会社を作って、ライブを開いてみませんか？
　リアルなビジネスに挑戦してみたくないです？
　社会に貢献するって…体感できる場があります！】

こんな呼びかけを目にしたら、興味が湧きませんか？　ブラストビートというNPO団体からの呼びかけです（ホームページは　<a href="http://blastbeat.jp" target="_blank">http://blastbeat.jp</a>/　）。これはアイルランドで始まった運動で、高校生などが「ミニ音楽会社」を立ち上げライブの企画から運営まで自分たちの力でやってのけることで、リアルなビジネスを体験します。その上で、利益の25％以上を寄付することで社会に貢献する喜びも実感するというものです。

イギリス、アメリカ、南アフリカと広がり、既に500回を超えるライブが実現し、14万人以上の若者が参加しているそうです。日本では、09年に運動が始まりました。これまで大学生や社会人によって何回かのライブが行われましたが、このほど初めて高校生による活動が実現しました。

ライブを開く主体になったのは、星槎国際高等学校の生徒たちです。この高校にはわたしも協力しています。北海道の芦別に本部を置き、全国17箇所の学習センターで学ぶことのできる通信制高校です（ホームページは　<a href="http://www.seisa.ed.jp/index.html" target="_blank">http://www.seisa.ed.jp/index.html</a>　）。東京地区の学習センターの生徒たちが、ミニ音楽会社「Colors」を立ち上げ、出演バンドも自分たちで選び交渉してライブを成立させました。

7月30日、国立のライブハウス「Liverpool」で行われたライブ「PALETTE　〜十人十色〜」は93人の来場者を数え、利益を生む結果となりました。利益は、バングラデシュで福祉、教育などの活動を行っているNPO法人アグラサーラ協力基金（ホームページは　<a href="http://www.agrasara-fund.jp/index.html" target="_blank">http://www.agrasara-fund.jp/index.html</a>　）に寄付されたそうです。

「Colors」のブログ（　<a href="http://ameblo.jp/colors-blastbeat" target="_blank">http://ameblo.jp/colors-blastbeat</a>/　）に、こんな感謝の言葉がありました。

【皆さまのおかげで無事に「PALETTE　〜十人十色〜」終えることができました
　観に来ていただいた方
　出演していただいた方
　協力していただいた方
　ほんとに感謝です
 
　実は前日まで、あれ赤字なんじゃないか…？っていう状態だったんですよねー…】

高校生たちの、やりとげた満足感が伝わってくるような文章ですね。

ブラストビートが、日本中の高校生に広がるといいと思います。]]></description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/ken_terawaki/20100808.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">寺脇 研（NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター）</category>
        
        
         <pubDate>Sun, 08 Aug 2010 03:06:08 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#347 恋人たちの予感</title>
         <description>夏の盛り。
くっきりとした空に、緑がきらめいて、
夏のいちばんきれいな季節。
みなさんは、いかがおすごしですか？

夏はやはり屋外が楽しい。
けれど少し涼しくなった夜更け、
窓を開けて風を感じながら、部屋で映画を見るのもなかなか素敵なもの。
夏の夜は、永遠に終わらない心地よさがあるような気がします。

今月は、高校生の皆さんが
自分からはなかなか見る機会がないのでは？　という
少し前の映画をとりあげたいと思います。

今日の映画は、『恋人たちの予感』。
大ヒットした映画なので、いま30代以降のひとには懐かしい映画。
作られたのは1989年。皆さんが生まれる少し前の映画です。

物語は、1977年から始まる。
そこから12年間の月日を追って、
ハリーとサリー、一組の男女のはなしが描かれます。
原題は“When Harry met Sally”。

この映画、オープニングからおしゃれ。
音楽が粋なんです。
今となってはすっかり有名な
ハリー・コニックJr.が歌っている。
当時、彼は20歳ぐらいだったそう。

そのほかにも、
『メン・イン・ブラック』(97)などの監督をつとめる
バリー・ソネンフェルドが撮影監督をしていたり、
ああ、あの人が当時こんなことをしていたんだ、という発見も。

さて、話をハリーとサリーに戻しますが、
この映画、面白いのです。
男と女のホンネの違いを、とても粋に、
思わず笑っちゃうような気の利いた会話で描いている。

そもそもこの映画の脚本は、
監督のロブ・ライナーとプロデューサー、
ふたりの男性の話を、女性の脚本家が書いて、
そこに、ハリー役のビリー・クリスタルの意見も加わり―
いわば、３人の男性の、特に監督の個人的な思いが投影されたもの。
それゆえの、親密な面白さがあるのです。

ハリーとサリーのキャラクターも絶妙。
二人の出会いは、１９７７年のシカゴ大学。
卒業して向かう先が、ともにニューヨークだった二人は、
サリーの車にハリーが同乗する形で１８時間のドライブへ。
ちなみに、ハリーは、サリーの女ともだちの恋人。

車の中でのふたりの会話がおかしい。
ハリーがいちいちシニカルなので、
雰囲気自体はビミョーなのだけれど、

たとえば、ハリーが、
いかに自分の性格が暗いかを言うのがこんな台詞。
「本を読む時は、結末から読む。　
　最後まで読む前に死んじゃったら困るだろ」

この愛嬌のある暗さ！思わず笑ってしまいます。
ハリーを透けて、監督の個性がにじみ出てくるような…。

そんなハリーに対して、サリーは明るくさわやか。
一見するとそんな彼女にも、ちょっと個性的なところが。
それが、レストランでのオーダーのしかた。

彼女なりのこだわりがたっぷりあって、
ひとつのメニューの盛り付けに延々と注文をつけるのです。
決め台詞は、「ソースはかけないで横に添えて」。
これ、ラストシーンでも登場する台詞。
この映画、全体的にとても気が利いているのです。

最初のドライブの印象がよろしくなかったふたり。
その５年後にも空港でばったり、同じ飛行機に乗りますが、
やはり、ここでの会話もビミョー。
しかし、それからさらに５年後、ふたりは再会します。

お互い、社会に出て大人になったふたりは、
今度は、話の合う友人どうしに。
「キミはあの時に比べて角がとれたよ」。

初対面のドライブで
「男と女はセックスが邪魔して友だちになれない」
と言っていたハリーにとって、サリーは初めての「女ともだち」に。

そんなに素敵な女性なのに、恋人じゃないのか？と訝る男ともだちに、
ハリーはこんな風に答えます。
「素晴らしい関係だよ。下心がないから、なんでも本音で話せる」

お互いの新しい恋を心配したり、応援したり。
深夜のテレビで同じ映画を見ながら、電話したり。
ほかのひとに話せないことも正直に話せる、
いい友だち関係を築いていくふたりですが―

メグ・ライアンは、この映画が出世作。
その後、トム・ハンクスとのコンビで『めぐり逢えたら』(93)に主演し、
そのあとの活躍は、みなさんもご存じのとおり。

ちなみに、『めぐり逢えたら』の監督・脚本は、
この映画の脚本を担当したノーラ・エフロン。

もともと監督とハリー役のビリー・クリスタルも
友人だったそうですが、
監督やプロデューサー、脚本家、そして役者たち…気心知れた親密な楽しさが映画から伝わってくる。

７０年代、８０年代のヘアスタイルやファッションの流行には、
ちょっと驚かされるかもしれませんが…。
やはり愛すべき映画です。

ちなみに…ロブ・ライナー監督作品では、
『スタンド・バイ・ミー』(86)も、
高校生のいま見たら、ずっと心に残りそうな…そんな映画です。</description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/hiroko_tagaya/20100806.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">多賀谷 浩子（フリーランス・ライター）</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 06 Aug 2010 01:24:37 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#473 うれしい誤報</title>
         <description>#455で、農業高校の生徒たちが加入する日本学校農業クラブ連盟の機関誌「リーダーシップ」が「終刊？」と書きました。これは、うれしいことに誤報になったようです。「リーダーシップ」は、今年4月から年4回の季刊発行の形で継続されることになりました。全国の農業高校生9万人が定期購読しているのですから、そう簡単に無くすわけにはいきません。

リニューアル第2号になる夏号が送られてきました。全ページがカラーになり、写真やイラストが多数入っていてカラフルで楽しい誌面になっています。山羊の「ヤギおじ」、ヒヨコの「ピヨコ」、猫の「クロニャン」という3匹のキャラクターが誌面の進行役として登場するのも面白い趣向です。

表紙に、まず高らかにメッセージが…　「ああ！　（名前だけの）夏休み!!」と大きく書かれた横にこう続きます。

【農業高校生に、夏休みはあるようで実はな〜い！
　実習や合宿もあり、資格をめざすなら日々の学習も必要だ！
　全国大会をめざす農ク員（註・日本学校農業クラブ員）には、ブロック大会があり必死のはず。
　「夏こそ実力をつける季節だ」と割り切ろう。さあ！やるぞ!!　】

そうなんですよね。これだけでなく、農業高校生には実習農場の手入れや飼っている家畜の世話もあって、夏休みも土曜も日曜も完全な休みはありません。15年前、わたしが広島県の教育長をしているときに出会った肉牛飼育に挑む生徒は、1年365日、毎日牛小屋に通っていました。

そうした努力の上に、みごとな牛が育ったり、安全で美味しい作物が収穫できたりするのです。連載記事「農業高校は日本一」で取り上げられている鳥取県立倉吉農業高校の酪農当番の生徒は、朝の4時半起きで2時間くらいかけて1年生は牛の餌やりと掃除、2・3年生は乳搾り、そして放課後の午後3時半からまた同じことをやるのだそうです。

でも、写真に映っている生徒たちの表情は実に明るい。やりがいを感じて学んでいることが伝わってきます。

「リーダーシップ」を読むのが、これからも楽しみです。</description>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">寺脇 研（NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター）</category>
        
        
         <pubDate>Sun, 01 Aug 2010 18:17:58 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#346 老人と海</title>
         <description><![CDATA[舞台は、日本の最西端にある与那国島。
82歳になるひとりの漁師が小さな舟で海に出て
巨大なカジキマグロと格闘するように漁をする―

ヘミングウェイの『老人と海』の世界を
奇しくもこの小説の舞台であるキューバとほぼ同じ緯度にある
与那国島に暮らす漁師の姿に見出した作品。

ナレーションもインタビューもなく、
実在するひとりの漁師の日常が
たんたんとスクリーンにあらわれるのだが、これがとても引き込まれる。

このおじいさんが漁をする際に乗る小さな舟は、“サバニ”と呼ばれていて、
エンジンのほかは余計な装備の見られない全長1メートルほどの、
昔ながらのシンプルなこの舟は、
ほとんどおじいさんの体と一体になって、大海の中を大きく揺られている。

それだけで目が離せない。
だだっ広い荒れた海の真ん中、いきもののように浮かぶ小さな舟―

<img alt="老人と海" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_346_1.jpg" width="400" height="269" />

おじいさんは、妻であるおばあさんと二人暮らし。
毎日ハードな漁からおじいさんが戻ると、
おばあさんが海まで迎えに来ている。

「あんただから、こんなに大きなのが釣れたんだよ」。
おばあさんの一言にとりたてて言葉を返すわけでもなく、
ふたりは並んで、家までの道を歩いていく―

1980年代の後半から90年までの数年間で
撮影された作品ですが、いま見ても色褪せない。
余計なものをそぎ落とした、昔から続いている
シンプルな人間の暮らしが、そこにあるからなのかもしれません。

<img alt="老人と海" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_346_2.jpg" width="400" height="274" />

話が少しこの映画から逸れますが、
この前、あるアジアの映画監督が、
こんなことをおっしゃっていました。
「孤独っていうのは都会のものなんです」。

ああ、なるほど、と思った。
自然の中にいると、
ひとりでいても、寂しさを感じることがない。

都会の暮らしの中だと、退化していく感覚。
いきものとして人間が当たり前に感じているはずの本能的なもの。
この『老人と海』を見ていると、
そういう当たり前のものがよびさまされてくる。

テクノロジーの力を借りて、
遠い場所のひととも簡単に話ができ、
いろいろなことが可能になったけれど、

ひとりの人間がそこに身をおいて、
自分自身の手でできる範囲のこと。
その匂いや感触を感じられる範囲のこと。その信頼性。

そこに根差して生活している限り、
きっと私たちは間違わないのだと思う。

そして、この映画でもそうだが、
島の人々のあいだに助け合える当たり前の交流がある。
お年寄りも誰も孤独にさせない土壌がある。
そういう意味でも、孤独は都会のものなのだろう。

<img alt="老人と海" src="http://www.mammo.tv/column/c_Tagaya_346_3.jpg" width="400" height="267" />

映画の中に“ハーリー祭”という
海の神様に漁を感謝し、安全を祈願するお祭りが出てくる。
こうしたきもちも、きっと都会にいたら忘れてしまうもの。

人間が生きていくうえで、失うと
本来のバランスが崩れていってしまうもの。
ひとの心を満たすのは、
決して多くものもではないということ―

与那国の風を感じさせる、暮らしの原点。
映画を見終わったら、ぜひ制作秘話を読んでみてください。
きっとまた違った見方ができるから。

31日より公開。
公式サイト：<a href="http://www.rojintoumi.asia" target="_blank">http://www.rojintoumi.asia</a>
撮影：本橋成一]]></description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/hiroko_tagaya/20100729.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">多賀谷 浩子（フリーランス・ライター）</category>
        
        
         <pubDate>Thu, 29 Jul 2010 10:42:48 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#472 オトナの勉強</title>
         <description><![CDATA[高校生の皆さんは、毎日が「勉強」ですよね。授業のある日はもちろん、そうでない日でも宿題があったり受験勉強や予習復習があったりで、常に勉強に追われていることでしょう。だから、卒業したらもう勉強なんてするもんか！　と思いたくなるときもあるんじゃないでしょうか。

実はわたし自身、高校生の頃にはそう思っていました。

ところが、高校も大学も卒業して社会人になると、なぜか勉強が恋しくなってしまうんですね。わたしが「学長」をしているカタリバ大学（　<a href="http://www.katariba.net/k-univ" target="_blank">http://www.katariba.net/k-univ</a>　）なんか、まさにそういう場になっています。大学生が、大学で教えてくれること以外の「勉強」がしたくて集まってくるだけでなく、会社やお役所で働く社会人たちも貴重な休日を潰して「勉強」に来るのです。

今月は、他にもそんな集まりに参加して、改めて社会人のオトナたちの学ぶ意欲をナマで感じました。「第1回　4都市合同　著者と読む会」は、7月18日、19日の2日間、福岡県北九州市にある学術研究施設群「北九州学術研究都市」で開かれました。ここにある九州工業大学大学院生命体工学研究科の教授であるジァン・ドゥーソッブ先生の話を聞きたい人たちが、日本中から集まってきました。医師、保健師、看護師、役人、サラリーマン…　さまざまな職種で働いている人々が、もちろん自費で連休の2日間を勉強の時間として使おうと集まっているのです。

ジァン先生は韓国人。ソウルの大学を卒業後東京大学に留学して以来30年近く日本を根拠地にして産業保健の分野で世界的に活躍している学者です。彼がすばらしいのは、学者として研究する能力はもちろんとして、学生や社会人の学習を手助けする教育的情熱の強さにあります。わたしとは7年前からの親しい友人です。

毎月、地元北九州だけでなく東京、名古屋、大阪と4つの大都市で、ジァン先生の著書を著者と一緒に読んで学ぶ「著者と読む会」が開かれている…　と聞くだけでも感動してしまいますが、各地でその勉強会に参加している全員が一堂に会するイベントとして、今回40人以上の人々が泊まり込みで「勉強」に集まりました。

わたしもゲストに招かれ、ジァン先生と対談しましたが、それを聞く社会人の皆さんの熱っぽい思いにうたれました。泊まった晩は全員で懇親パーティをしただけでなく浴衣を着ての盆踊りやカラオケでも親交を深めたようです。これが「オトナの勉強」というものですね。]]></description>
         <link>http://www.mammo.tv/column/ken_terawaki/20100725.html</link>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">寺脇 研（NPO教育支援協会チーフ・コーディネーター）</category>
        
        
         <pubDate>Sun, 25 Jul 2010 00:23:20 +0900</pubDate>
      </item>
            <item>
         <title>#402 それぞれの日常　ルーマニアへちょいとお散歩　その2</title>
         <description><![CDATA[（前回に続く）
ターンテーブルがぐるぐる回る。
（……おかしいなあ……）
全員分のスーツケースはすべて揃っているのに、ぽにょてぃん（娘のあだ名）のベビーカーが出てこない。
場所は、とってもルーマニア・ブカレストの国際空港。
一国の首都の空港だというのに、思いの外、ちっちゃい。
そのうち、ぴたっと止まってしまったターンテーブルを前に、係の青年が「もうこれで荷物は終わりだよー」と無愛想に言った。
ひぇーっっ！！

早くも、ロストラゲージか。
15年前の出来事を思い出した。
およそ半年にも及ぶ “ユーラシア大陸横断バス”の企画をした時、やっぱりアエロフロート航空を使った。
あの時も確か、旅行に参加してくれた人一人の荷物が届かなかった。
『半年の旅が始まる前に、お金以外の荷物、一切届かず』
という状況にもその人はめげず（笑）、最初の出発地で簡単な着替えと、趣味の画材道具だけを購入し、旅を始めたなんてことがあったっけ。
日本に帰国して一ヶ月（つまり、紛失して7ヶ月）が経った時、埃まみれになって世界中をぐるぐる回り続けた荷物が自宅に届いた時には、思わずじーんときたという笑い話を、確か後日談で聞いた。
（まあ、あれに比べれば、今回の紛失劇はたいしたことはないけれど……）
それにしても……ぽにょてぃんはただ今11kg。
ベビーカーがこの先ないとなると……。
『暴れ盛りの1歳半児を、身重の体で担ぎ続けるルーマニアの旅』
＝胎児と併せて計21kg増量編
＝アエロフロート航空提供の筋肉増強の旅
となってしまう……（とほほほ）。
「お気の毒に……。どうもモスクワの空港で飛行機に積み忘れたようで、三日後の次の便で届きます。そうしたら、そちらの滞在先を順次荷物が追いかけるよう、手配しておきますから」
優しく言ってくれた、英語のたどたどしい係官にとりあえず一礼をし、ベビーカーというシロモノはそもそもこの世に存在していなかったことにした。
（やっぱりやってくれたね、アエロフロート）
いい時期を選べばヨーロッパにたった8万円台で行ける航空会社は、さすがのおまけ付き。
「あなたはこの旅で、足腰が強くなるぞお！！」
ぽにょてぃんに言うと、ぽにょてぃんは「？」という顔でにっこり笑った。

最後にルーマニアへ来たのはEUに加盟する前だから、もう数年は経っている。
街を走る車のレベルは格段にアップし、首都郊外にはチェーン系の新しい商業施設がばんばん建っていた。

そんな中で、今回かなり楽しみにしてたのが、友達との再会。
学生時代に縁あって出会い、“ユーラシア大陸横断バス”や“アフリカ大陸縦断トラック”などを一緒にやってきた仕事仲間（？）とも言えるオーストリア人のステファンがルーマニアの田舎に突如移住してきてから、約7年。
メールで、そこがどんな場所なのか？を聞いた時に返ってきた答えを聞いて、あたしはのけぞった。
「ボクのいる村は……雑貨店まで買い物に行くのに、馬車で“片道”3時間。村人は全部で15人で、平均年齢は80歳。水道はもともと通っていない村なので、新しく建てたボクの家が初めて、水道を持っている家になっちゃった（笑）」
それが、EU加盟の5年くらい前の村の状況だったのだから、あたしの頭の中では村は完全におとぎ話のようなところになっていた。
「それはまるで、ルーマニア版アーミッシュ村だねえ……」
ステファンはもともと若いうちから、いずれ自分は田舎暮らしがしたいと宣言していた。
だからといって、そんな究極の場所に引っ込むこともないだろうとは思ったのだけれど、後に一緒になった日本人の奥さんもそういう暮らしを望んでいたこともあったと見えて、そういう辺境の村で自分達の手でゼロから家を作るという作業をすることは、彼らにとってさほど苦ではなかったらしい。
「仕事もせずに田舎暮らしもいいけどさ、現金収入はどうするの？」
「ニッポンに諺であるだろう？桃栗三年、柿八年。西ヨーロッパでは栗がとっても高価なので、ここルーマニアで栗を栽培して西ヨーロッパに売りにいったらどうかとも考えているんだ。そう、そうだよ！由紀、頼むから、スーツケースに一杯の栗、日本から運んでもらえないか？　代わりにこっちでの滞在費はすべてボクがなんとかするからさ！」
「……」
いったんは拒絶したものの、長年お世話になっていたこともあって断りきれなくなり、そのステファンの奇妙な要望を叶えるためにその村を訪ねたのが今から6年ほど前のこと。
「お願いだから、貴重品と歯ブラシと数枚の着替え以外は、スーツケースを全て栗で一杯にしてこちらへ持ってきてくれ（笑）」
本当にそんなことができるのか！？
（いやいや、あんたはあんまり深く考えずにやってみるところがオモシロイって、よくみんな言ってくれるじゃないのよ）
ならばと、半信半疑なまま、レッツトライ！
するとやっぱり、成田のエックス線検査のところでひっかかった。
「お客さん、あの、スーツケース中が小さな丸いブツブツで一杯なんですけど、これはなんですか？」
あの時、しどろもどろになりながら、汗だくでこう答えた記憶がある。
「あ、いや、これからヨーロッパの友達のところに行くんですけど、彼らが一族郎党で、大の栗フェチでして（笑）。世界中で一番好きなものが日本の栗ということで、今回はお土産として、鞄を栗で一杯にしてきたという訳です」
「……。どうぞ、行ってください」
あの時、もし運搬を許可されなかったら、でっかいスーツケースは、ポーチくらいの大きさにおさまってしまう私物だけで、すっからかんになっていたはず。
ふたを開ければ、およそ97%の荷物が“栗”だったのだから、私は偉かった（笑）。
今回の再訪を機に、そのことを思い出し、事前に電話で尋ねてみた。
「あの時、頑張って運んだ栗はすくすく育ってる？諺通りいっていれば、あれから6年経つから、実を結んでいるはずだよねー？」
するとステファンはお茶を濁した。
「ン？ああ……。まあとにかく、村に遊びに来いやー！」

（東欧もどんどん時代の波の洗礼を受けていく中で、あの村の今や、いかに？）
「で、相変わらず、雑貨店までは、馬車で片道3時間なの？」
「そうだよー。変わってないよ」
電話の向こうの声は、いたずらっぽく笑った。
馬車でぱっぱかぱっぱか、お出かけする日常。
同じ時を生きているのに、自分たちを取り巻く環境はあまりにも違っていた。
（次回に続く）

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都会は大発展を遂げたというのに……田舎はまったく変わらぬ表情なんだなー]]></description>
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                  <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">白川 由紀（紀行フォトエッセイスト）</category>
        
        
         <pubDate>Fri, 23 Jul 2010 02:13:00 +0900</pubDate>
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