2005-07-21 号
多賀谷 浩子(フリーランス・ライター)
高校生の皆さんは今日から夏休みですね。
この時期が近づくと、「夏休みだ〜」という開放的な空気がただよい、
午前中から道で遊んでいる子供たちも増えてくるので、
こちらまで夏の高揚感が高まります。
この夏の映画で、まず触れたいのは、
好きな人はもうとっくに観ているだろう『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』。
世界中に熱狂的なファンを持つこのシリーズですが、
案外、「あまり観たことがない」という人もいるもの。
これまでのシリーズにあまり親しみがない人にも、このエピソード3はお勧めしたいです。
舞台は、はるか宇宙のどこか。
ここまで虚構の世界に夢中になれる作品、あまり、ありませんよね。
今回は冒頭からアクション・シーンが満載で、引き込まれてしまいます。
一方、舞台は自分の日常とはかけ離れた世界のはずなのに、
そこで繰り広げられる人間模様は、実は私たち、ひとりひとりにとても近い話。
心のありようが、その人の道を決めていく…という点で。
新たに製作されたエピソード1〜3で、
悪役であるダース・ベイダーに焦点を当てたというのも、
あらためて興味深かったな…と思います。
なんか感じ悪いなあと思う人には、その人がそうなるだけの過程があるもの。
なぜ、ダース・ベイダーは、あの黒づくめのスタイルであの「声」で、
そしてダーク・サイドへ身を落としてしまったのか……
エピソード3では、それが明かされるわけですが、
いろいろな人の愛にあふれたこの過程にも、心が揺さぶられます。

映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』
さて、次に触れたいのが『埋もれ木』という映画。
この作品、触れておきながら何なのですが、
何の前情報も入れぬまま、劇場に行って(渋谷のシネマライズで公開されています)
何も考えずに観てみるのがいちばんいいのじゃないかという気がします。
こう観るのがいいとか、ここが見所とか、
そういう一切から解放された、本物の「物語」が綴られていく映画。
観る人の中に「物語」を生みおとす映画だと思うから。

映画『埋もれ木』
最後に、少し前にこのコラムでも触れましたが『輝ける青春』。
これも時間のある夏休みに、じっくりと浸って観たい作品。
地方に住んでいて、東京に出てくる機会のある人は、
この映画を上映中の岩波ホールがある、古本屋街で有名な神田神保町界隈を
散歩してみると楽しいと思います。
昔の映画の本に出会える、映画に強い本屋さんだとか、
どうにも繋がりを考えるのが難しい、
異なるジャンルの本が見事に同居する本屋さんだとか、
「顔の浮かんでくる」本屋さんがいろいろあって、
都内にいながら、別世界に迷い込んだような楽しさを味わえます。
渋谷や銀座にあまり縁のなかった高校生の頃に
そういう場所に映画を観に行って、
そのあと街を歩いた、そのときの感覚は、私自身いまも鮮明に残っています。
いま同じ場所に行っても、そのときのそれとはまったく違うもの。
素敵な夏休みを送ってください。