2005-03-10 号
多賀谷 浩子(フリーランス・ライター)
この前、レンタルビデオ屋さんに行ったら、
『グッバイ・レーニン!』のDVDが、目立つところにずらーっと並んでいた。
昨年の劇場公開時にも、話題になった作品。みなさん、もう観ましたか?
私の話で何ですが、学生時代、東西ドイツが統一されて、
その式典が、ちょうど朝、学校に行く前にテレビ中継されていた。
ベルリンの壁が崩壊する際の映像といい、
なんだか、すごい歴史の一瞬に立ち会っているなあ…と感じた。
その後、たまたま、モンゴルという国と縁があったのだが、
この国も、旧ソ連のペレストロイカの流れを受けて、
東西ドイツが統一されたのと同じ頃、民主化の波が高まり、
90年代に入って正式に民主化した。
国の名前が、「モンゴル人民共和国」から「モンゴル国」になった。
これらの変化は、当事、学生だった私にとって、
世界が変わっていく波みたいなものをすごくリアルに感じた出来事だった。
いまでは、授業で冷静に読まれる、歴史の教科書の1ページなのだと思うのだけれど。
歴史って、重なりゆく「いま」を振り返ることなんだなあ…としみじみ思う。
この映画では、その東西ドイツ統一が人々にもたらした変化が描かれている。
それを、東西で比べ経済的に豊かではなかった側の
東ドイツのある家族の視点から、生活の実感として描いているところが面白い。
壁がなくなったことで、東ドイツには、これまで入ってこなかった
西側の国々のあらゆる物資がなだれ込むことになる。
想像するだけでも、これは、ものすごい変化だ。
映画では、親子の物語を通して、血の通った形で、
しかも、かなり若者感あふれる映像で、その変化が軽やかに描かれていく。
物語は、こんな感じ。
主人公の男の子アレックスが、
ベルリンの壁を取り払うことを求めるデモに参加するのだけれど、
そのデモに出くわした彼の母親が、あまりのショックに意識を失ってしまう。
彼のお母さんは、お父さんと別れてからというもの、
一途に、「社会主義と結婚した」人だったのだ。
彼女が意識を失っている8ヶ月の間に、東西ドイツ統一が実現。
東ドイツには西側の物資が流れ込み、世の中は様変わりしていく。
世の中が著しい変化を遂げていくなか、ある日、突然にお母さんは目を覚ます。
医師の話によれば、彼女はかなり危険な状態で、
ショックを受けると病状が悪化する可能性があるという。
それを聞いた主人公は、母親にショックを与えまいと、
あんなことや、こんなことを画策しながら、
部屋のインテリアをすべて東ドイツ時代に戻し、
東西ドイツが統一した事実を彼女にひた隠しにする。
母を思う家族の思いにグっとくると同時に、
この映画は、「物質的な豊かさ=人間のしあわせか?」ということをも問いかけている。
時間がとれたら、久しぶりにモンゴルに行ってみようかなあと思っている。
民主化直後の90年代初頭に比べ、物質的に豊かになったモンゴル。
人や街が、どんな風に変化しているのか…楽しみでもあり、ちょっとドキドキもする。